河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

夜は短し、歩けよ乙女

2008-03-04 22:50:52 | 読書(小説)
森見登美彦、角川書店。
いや、面白かった。
四畳半神話体系と似て非なる。
登場人物も結構一緒(樋口さんと羽貫さんも出てくる)なのに。
ここは、彼女の存在だろうか。
クラブの先輩(男)と後輩(女)の一人語りが交互に続く。
男が一方的に語るのが主流だけど、
この作品は、彼女も語る。
この彼女が、いい感じに天然でかわいい。
鯉のぼりのぬいぐるみをしょって、だるまでつくったネックレスをかけ、
リンゴ飴をなめなめ、学園祭を歩く彼女(秋)、卵酒を振る舞う彼女(冬)、
古本市を眺める彼女(夏)、夜の先斗町を飲み歩く彼女(春)、と四季そろっております。
1話1話も完結していて、先輩の変態ぶりも中和され、ほのぼのいい感じだ。
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金春屋ゴメス

2008-03-02 22:47:18 | 読書(小説)
西條奈加、新潮社。
ファンタジー小説大賞って。なるほど。
カバーの絵で着物姿の少年が舶来ものの時計して携帯もってんだけど、
本文では、そんなシーン出てこないぞ。禁止されてるから。まあいいけど。
人が月に住むような未来の話。
東北あたりに出来た江戸テーマパークが独立して数十年。
鎖国している江戸に日本から入国した辰次郎は、実は江戸生まれ。
入国した先では、通称「裏金春」で仕事することになった。
そこの親分、ゴメスの手下となる。
いや~、巨体の女性で頭良くて凶暴で、って、滅多にないキャラだなあ。
物語は、5歳のとき謎の疫病にかかって江戸を出ることになった辰次郎が、
舞い戻った江戸で過去を取り戻し、再びはやりだした死の病の謎を解く
「手伝い」をする話。主人公は、やっぱゴメスだよなー。
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まほろ駅前多田便利軒

2008-03-01 21:24:25 | 読書(小説)
三浦しをん、文芸春秋。
まあ、ひとつ、読んでみようかと思って。
挿絵が入っていて、その絵のとおりな少女漫画風の設定。
男二人。つかず離れずっていうか、なんていうか。
主人公多田も、ひょっこり転がり込んできた行天も、
ちょっとした過去を秘めて、がんばって生きている。
多田に依頼してくる小学生も、女子高生も、老夫婦も、
それぞれに人生があって、大変だけどそれなりにやっている。
まほろ市っていう架空の東京の辺縁都市を舞台に、
やくざや娼婦から医者、警官まで、様々な職種の人々が泣き、笑う。
・・・なんていうのかなー。表面上?
上っ面、大変な人生なんだけど、あまり、本当らしく感じないというか。
想像上の産物?当たり前だけど・・・。
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闇の左手

2008-03-01 15:29:32 | 読書(小説)
アーシュラ・K・ル=グウィン、ハヤカワ文庫。
ヴォイスとかを読んで、ちょっとSFも読んでみたくなった。
SFって、未来史っていうのか、人類が宇宙に出た後の話だけど、
そこに新たな世界が出来てる時点で、ファンタジーと区分ないよな。
人類が宇宙に出てたくさん植民地を作った後、忘れ去られて、
地球も再発見されて、なんかの拍子に、ふと、他の植民地を探し出して、
同盟を結ぶようになったという時代?背景。
ゲンリー・アイという青年が、使節として、冬の惑星<ゲセン>に降り立つ。
いきなりやってきて、宇宙人なんです、同盟結びましょうよう、って言われてもな。
当然困惑が先に立って、彼が訪問した2つの国では、
彼自身をを証拠隠滅しちゃおうという動きが出て・・・という話。
そもそも、このゲセン、ほかの人類とは違う進化を遂げて、
両性具有、発情期だけ、どっちかが女性になって、受胎できるという。
なんていうの、あー、こんなところからすでにフェミニストだったんだな、という感想。
女性の理想だよね。性がなければ、戦争もない。男女の差もない。
ちょっと少女漫画読んでるような気分になった。
設定が、途方もなく凝っていて、面白いけど。
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