河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

真夏の夜の夢

2009-08-15 23:44:02 | 映画
中江裕司監督。
シェイクスピアの「夏の夜の夢」が原作。
大阪まで見に行って、いく途中の電車の中で、
文庫の原作を読んでから、見た。
読んでなかったら、まさか、ここが原作どおりとは思うまい・・・。
原作の妖精王が沖縄のキジムン(精霊)たちで、
妖精パックは、人間の血が混じったキジムン・マジルー。
男と別れて生まれ故郷の島に帰ってきたゆり子。
島では、村長の息子の結婚式で、青年団が演劇の練習真っ最中。
ゆり子は、子どもの頃マジルーに会ったことがある。
マジルーは、そのままゆり子を待っていた。
しかし、キジムンたちは、島人から忘れ去られようとしていた・・・。
なぜに平良とみ夫婦は男女逆なのか。
歌は登川誠仁だよ。
そして、ずっと男の子と思ってみていたマジルーは、
「ホテル・ハイビスカス」の美恵子やった・・・
結婚式のシーンは笑いあり涙ありなのに、
真夏の夜の夢が覚めた後が、寂しすぎる。
真夏に雪が降るラストシーンは切ない。
私たちは、ホントに、精霊とかそういう物のことは忘れちゃってるなあ。
それは、寂しいことだなあと思う。
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水深五尋

2009-08-13 20:51:34 | 読書(小説)
ロバート・ウェストール、岩波書店。
「機関銃要塞の少年たち」のチャス・マッギルが主人公。
16歳で180cmって。
図体はでかくとも、中身はまだまだ少年。
第二次大戦中のイギリス。
貨物船がドイツの潜水艦Uボートに撃沈させられた翌日、
河口でボールに入った時計を見つけた。
どうやらこれは、発信器らしい、と気づき、
チャスは仲間を誘ってスパイ探しを始める。
昔からの仲間、セムやオードリー、上流階級の少女シーラも巻き込み、
チャスは核心へと迫る・・・
子供だましじゃないストーリー展開。
ホントにやばい目に遭っちゃって、はらはらしながら読み進める。
最後の最後、ラストのチャスの決断は、喝采。
ロウ・ストリートの顔役ネリーや、ギリシア人カロナスさん、
いとこのロバート兄さんや、バーリー船長とスヴェンなど、
ひとくせある、魅力的な登場人物が一杯。
なぜか、お母さんにはいい人がいないが。
ネリーは、ちょっとラピュタのドーラを思い出した。
挿絵が宮崎駿なもんでかな。
いやー。面白かった。
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星守る犬

2009-08-11 21:18:17 | 読書(マンガ)
マンガだ。
よくあるといえば、よくある話。
のたれ死んだ男性と犬。
車で死んでるあたりが、「イントゥ・ザ・ワイルド」みたい。
でも、男性には、犬がいた。
犬がいるのといないのじゃ、悲壮感とか全くちがう。
犬がいたのなら、ひとりじゃなかったと思える。

語り手は犬で、犬が理解した以上のことはこちらにも分からない。
そこが、犬らしくていいなと思う。
よく、飼い主のことを「おとうさん」「おかあさん」とか呼ぶけど、
産んだわけねえだろと思って、いつも違和感を覚える。
でも、このマンガで、ハッピーが男性をおとうさんと呼ぶのは許せる気がした。

続編の日輪草は、墓碑のような作品。これはまあいい。
しかし、また続編が書かれるらしいが、いったい何を・・・?
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橋のない川第2部

2009-08-08 22:36:35 | 読書(小説)
住井すゑ、新潮社。
切ないなあ。
少女が暗がりの中で孝二の手を握った真相は。
修学旅行で泊まった部屋で、帰ってこない級友を待つ孝二。
大判なので通勤で読むには重くて家で読む。進まない。
でも続きは読むぞ。
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恋文の技術

2009-08-07 23:15:46 | 読書(小説)
森見登美彦、ポプラ社。
阿呆全開。
能登の研究所に飛ばされた青年・盛田一郎が書く手紙の数々。
友人宛、大学の先輩宛、家庭教師してた少年あて、
作家・森本登美彦氏宛、妹あて、と、
延々盛田の書いた手紙だけが続く。
それでも時空がつながってるので、かなり面白かったが、
ラストはちょっといい話すぎないか。
盛田の手紙だけで押し切れば、「四畳半神話体系」に近いノリだったのに。
しかし、失敗書簡集には吹いた。
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