遊びをせんとや

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久しぶりの椎名誠 ~「十五少年漂流記から」への旅~

2021-09-04 07:17:33 | ブックリスト
書評欄に掲載されていたので
さっそく買いました。



久しぶりの椎名誠
20代の後半に「さらば国分寺書店のオババ」とか「哀愁の町に霧が降るのだ」とか「わしらは怪しい〇〇隊」の島焚火冒険譚だの
読み漁っていて、本人が来るというのでサイン会にも行ったなー(遠い目)

東京新宿の椎名グループ行きつけの居酒屋、池林房にも行ったな。陶玄房の方やったかもしれない。
そこのお店のマッチとかもらって大事に取ってた。

家族の話を書いた「岳物語」も良かったし。

でも夏の終わりにジュール・ヴェルヌ「十五少年漂流記」である。

福岡伸一ガラパゴスに始まり、椎名誠のマゼラン海峡および、本当の十五少年漂流記の島のモデルと言われているニュージーランド
の東のチャタム島に終わった。

コロナで遠くには行かなったけれど本の中で随分遠くまで旅をした感がある。

今回の椎名本は他にも極地に旅した時にどんな目にあったかということから始まって、「いつも見慣れている物も違う土地に行けばまた違った風に目に映るし、そこで深まるある思考がある。」ということを書きたかったようです。違うかな?

いずれにしても私も小学校高学年~中学生にかけて、ジュール・ヴェルヌの十五少年漂流記にはまり(でも短縮版やったかもしれない)海底二万里までは読んだ記憶がある。この人はSF作家だったのね。そこからSFマガジンなんかも読んだな。
今では全く、内容は忘れてしまったけれど、すごくワクワク読んだような気がする。

この本の中では園田学園女子大学の田辺眞人教授が本当のモデルの島は南米のハノーバー島ではなく、ニュージーランドのチャタム島ではないかと言う説を検証するという航海譚で、読後やっと、世界地図を確認したらすごーく離れているじゃないか!
ちなみにガラパゴスの位置もわかった。
チャタム島は確かに日付変更線がくいっと曲がっている(笑) 世界で一番朝が早く来る国がニュージランドだそうだ。

ヴェルヌはフランスのナントに生まれ、法律家を目指すが、戯曲を書いたりして、そのうち冒険物語で有名になる。
それにしても、地図だけで現地に行かないで南半球の孤島の様子を想像しながら、この小説を創造したことは驚きだ。


19世紀~20世紀の本の鳥羽口で活躍した作家だは思わなかった。

十五少年漂流記には国籍の違う少年たちが出てきて、なかなかグローバルな人間関係を繰り広げるのもその時代を反映し、また未来を予測したものではかいかと思う。ヴェルヌが預言者と言われたのにはそういう理由もある。

もう一度読んでみよう。

新聞に椎名さんの記事があった。



今では77歳か。コロナにも罹ったそうだ。大変だったろうな。

娘さんがあとがきを書いている。

2008年に刊行された本がこの7月に文庫化された。
それにしても、福岡さんの本も、椎名さんの本も十五少年漂流記も航海中、漂流中に何を食べたかが詳細に書いてあって、食べるってすごく重要なんだなと思った。