遊びをせんとや

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玉三郎の超絶技巧 ~南座四谷怪談~

2022-08-09 06:38:25 | 歌舞伎
久しぶりに南座である。
久しぶりに京都である。


どうせ京都に行くのならと色々考えた。
その話はまた明日に。

玉三郎の東海道四谷怪談。
私の回りはみんな「暗い話はいいわ。」ということで私一人の参戦。

席は三階前から5列目の真ん中。座席の前は超狭いが傾斜が半端ないので舞台全体がよく見える。
花道七三もギリギリ。

  

きっと玉三郎さんも最後のお岩であろうと思われるので是非、観ておかなければと思った。

三階で観るようになって、個々の役者の演技や所作はもとより戯曲全体が観えるようになった。
芝居全体を観るなら三階に限る。

四谷怪談、以前に七之助で観た記憶がある。三回目くらいかな?
民谷伊右衛門は片岡愛之助。ちょっと観ない間に随分上手くなったような気がする。
一瞬、仁左衛門かと思う時があった。

この戯曲もよく考えたらすごく不思議な話だ。
娘の不倫を親や祖父が応援したり、そのため本妻に毒を盛ったり。伊右衛門だけでなく、回りが全て凄く悪い奴である。
今回は四谷町伊右衛門浪宅の場、伊藤喜兵衛内の場、元の浪宅の場の三場だったが、この芝居は伊右衛門とお岩が主役なのだが、極貧の中で何故か小間使いのように使われている按摩宅悦がすごく出番が多く重要になると思った。芝居の肝心な場面は全て宅悦とお岩の出番で進む。今回宅悦は片岡松之助さん。
その時の玉三郎さんが上手いのなんの。顔面が醜く変わり、毛がごっそり抜け落ちた後の壮絶な中に絶妙な色気を感じる。
何ともグロテスクというのではなく妖艶さを感じた。このあたり、玉三郎さんの魅せる技である。
いい物観せてもらいました。

幕間に感染を避けてロビーでくつろぐ。


25分の幕間の後に元禄花見踊り。
暗い芝居なので最後は明るく華やかにという趣向だろう。
宝塚のような舞台。

何しろ元禄の女に扮した玉三郎さんの博多人形のような美しさ。
来ている観客から全てにため息が漏れたような舞踊でした。

4時15分には終演。

満足して帰途につく。



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