道の駅「那須高原友愛の森」の朝。
寝起きに車外温度計を見ると、4℃と冷え込んでいる。
主目的の紅葉見物は終わったが、たった2泊では帰宅する気になれない。
駅周辺の別荘地帯を二人でゆっくりと散歩した。
9時前に道の駅に戻ると、駐車場の車が増えている。
農産物直売所目当てのお客が多いようだ。
直売所のレジが始まる前に、搬入されてくる商品を物色した。
干し柿用の大きな柿で、少々難あり5個150円、というのを見つけて、4袋全部を確保。
難ありの「難」は収穫時についた小さな傷と、育つ途中に出来た、治癒済みのカサブタ傷だから、これは掘り出し物である。
持ち帰って、吊るし柿にする。
ぶらぶらしているうちに、昼近くなった。
湯本まで走り、殺生石付近の駐車場で車内食。
食後には、その周辺を散策。
5分間ほどだが、チラチラと雪が舞ったのでびっくり。
ボクらには初雪である。
不気味な千体地蔵。
全部の地蔵が、同じ方角に向かって、合掌している。
殺生石から坂道を上ると温泉神社がある。
境内では可愛い小鳥が飛び交っていた。
「写真を撮ってもいいよ。私は読みかけの本があるから」
カミさんが言うので、三脚を持ち出し、2時間ほど野鳥撮影で遊んだ。
ヒガラの群れが虫獲りをしていた。
意外にもルリビタキが出た。
まだ青くなっていない個体だが、今季の初認である。
鳥遊びで身体が冷えたので、温泉に浸かることにした。
いつもは鹿の湯に入るのだが、雑誌「自遊人」のパスポートで「山快」という、小さな温泉旅館のお世話になった。
この風呂が大当たりだった。
ボクは豪華な設備よりも、泉質の良い温泉が嬉しい。
山快の湯は、大分県のお気に入り温泉「豊礼の湯」に良く似た、乳青色の硫黄泉だった。
同じ那須湯本温泉でも、泉質にはバリエーションがあるようだ。
左から小、中、大の湯船が並んでいるが、左の二つには透明感があり、右端は不透明な乳青色をしている。
地表に湧き出した湯は、採る位置の違いや、採り方によって、見た目が違ってくる。
湯の花たっぷりの濁り湯でも、その上澄みだけを採れば、透明感のある湯になるのだろう。
一日の最後に、最高の湯に浸かったため、今日の一日中が素晴らしかったような気分になった。
「終わりよければ全て良し」とは、良く言ったものだ。
上機嫌でひとっ走りして、今夜のねぐらは道の駅「東山道伊王野」。