ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

実際には、ロシアは通貨安で購買力が落ち、全然さけを買えていなかった

2015-04-11 20:10:07 | 日記

2015年04月11日
東洋経済オンライン
[スーパーの銀ざけ価格が急落]
- 経済制裁を受けたロシアがデンマークやノルウェーから買う代わりにチリで銀ざけを買い付けているといううわさが業界内を駆け巡り、国内勢がロシアに買い負けまいと高値発注したが実際には、ロシアは通貨安で購買力が落ち、全然銀ざけを買えていなかった -
日本の食卓に欠かせない、銀ざけの価格が年明け以降、急落している。日本は世界で最も銀ざけを消費しており、そのほとんどは、チリで養殖された輸入物である。
築地市場の月間平均取引価格は2月に1キログラム当たり676円と、2014年5月につけた最高値835円から約2割も下落。3月以降も下落傾向が続いているもようだ。
天然魚に比べて、漁獲量が安定している養殖魚は、価格が安定するはず。だが、ここ数年は、価格が乱高下する相場が続いている。
■東日本大震災きっかけにいったん下落
きっかけは2011年の東日本大震災までさかのぼる。水産卸各社は国産さけが足りなくなるとにらみ、チリの銀ざけを買いに走った。しかし、震災の影響は小さかったため供給過剰となり、2012年の銀ざけ価格は、過去最安値レベルとなる1キログラム当たり300円台前半まで下がった。
ところがアベノミクスの影響で、2013年には円安が急速に進行。銀ざけの輸入価格は反転上昇を開始した。2014年春に勃発したロシアによるウクライナへの侵攻も、銀ざけ価格の上昇につながった。
「経済制裁を受けたロシアがデンマークやノルウェーから買う代わりにチリで銀ざけを買い付けている」といううわさが業界内を駆け巡り、国内勢がロシアに買い負けまいと高値発注したためだ。
だが実際には、「ロシアは通貨安で購買力が落ち、全然さけを買えていなかった」(大手商社の水産担当者)ことが判明。水産卸が食品スーパーへの卸売価格を吊り上げたために「大手スーパーが取引量を縮小した」(別の水産商社)ことも痛手となり、昨年後半の相場は膠着状態に陥った。
膠着相場から年明けの急落へのきっかけとなったのは、今年初めの「ある商社の投げ売り」(大手荷受け)である。
築地に本社を置くこの会社は、中堅商社の担当者が独立する形で2007年に創業。信用調査会社によれば、ピークだった2014年1月期決算では、約70億円を売り上げている。
■ 水産商社が在庫を投げ売り
ただ、円安と相場の乱高下に耐えきれず、2015年1月に資金繰りに行き詰まり、在庫の投げ売りに走った。
この好機に飛びついたのがスーパーなどの流通業者だ。銀ざけの用途は大半が家庭調理用で、関東地盤の大手食品スーパーでは、3月から切り身の重さを60グラムから70グラムに増量。値段も、20円安い100円近くに値下げしたところ、売り上げが10%以上伸びたという。
一方で頭を抱えるのは、ほんの少し前まで800円台で購入していた水産商社の担当者たち。「含み損を抱えた在庫を処分すると損失が確定するため、売るに売れない業者が多くいる」(水産商社の幹部)。
前述の大手荷受けの担当者は、「せっかく安くなっているので、皆さんにどんどん食べてほしい」とため息をつく。スーパーと水産商社が卸価格をめぐってせめぎ合う中、激しい相場変動はしばらく続きそうだ。

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