2015年04月14日 モスクワ発
[ロシア流し網漁業禁止 副首相ドヴォルコヴィッチが疑問点を示唆]
ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフは、2015年4月9日、ロシア政府が、下院へ提出されている流し網漁業禁止法案を支持していると記者会見で明らかにした。
一方、この問題について副首相ドヴォルコヴィッチは、流し網漁業者の法案に対する疑問点等に対して、整理がされていないことを示唆している。
例えば、政府の流し網禁止法案に関して、環境と経済への科学的データに基づく影響評価が求められるが、農業省だけがその任務を行うのか、大統領府の権限の関与をどうするか等だ。
また、ロシア排他的経済水域で流し網漁業を行うのはロシア漁船ばかりでなく、日本漁船も着業しており、国際的なレヴェルでの法的側面の取扱案の作成は農業省と漁業庁が任務として継続しているが、最終案は農業省と大統領府が共同で仕上げることとなっている。
シェスタコフは、流し網漁業の禁止について、環境問題と沿岸漁業の発展を強調しているが、2016年1月1日から、どのように完全に実施されるのかとの質問に対し、どの政府機関のどの取扱いで規制するかは明確になっていないとしている。