2015年10月06日
ウラヂオストク発
[ロ日オホーツク海クジラ共同調査専門家会議が開催される]
ロシア太平洋海洋漁業研究所チンロセンターは、2015年9月30日、オホーツク海のクジラ資源の評価等を目的とした日本との共同調査研究に関する両国専門家会議を開催したと発表した。
会議では、同年8月7日から9月12日までの間、同研究所科学調査船“Владимир Сафонов”(ウラヂミル・サフォーノフ)によって行われた、目視を中心としたオホーツク海でのクジラ資源等を対象とした調査航海の結果が報告された。
この調査航海には同研究所職員に加え、日本人の専門家も共同乗船した。
両国専門家は国際捕鯨委員会で採択された方法で海産哺乳類の調査算定作業等を行い、航海中、ナガスクジラ、ミンククジラ、ザトウクジラ、マッコウクジラ等、800頭以上を確認した。
これら大型クジラのほぼ全ての種がオホーツク海中央部で確認された。
特に、シャチは北部、ザトウクジラは、夏から秋に伝統的餌場となるカムチャツカ北西部沿岸に集中していた。
また、オホーツク海中央部でマッコウクジラが確認されたことは興味深い結果と位置付けられる。
この専門家会議の出席者は、調査航海が大変意義のある結果となったことを確認し、オホーツク海のクジラ資源のロ日共同調査を継続することで合意した。
(関連過去情報)
2015年08月23日 ウラヂオストク発
[第31回ロ日漁業委員会の結果に基づき研究機関が共同でクジラ調査を行う 2つのステージを設定]
ロシア太平洋海洋漁業研究所チンロセンターはオホーツク海のクジラ資源の評価等のため、日本と共同で調査研究を行っていると発表した。
オホーツク海には重要で大きなクジラ資源が存在しており、ロシアは公海部分を含めた調査研究を日本と長期間にわたり協力して行ってきた経緯にある。
今回の調査は、昨年2014年12月のロ日漁業委員会第31回会議の結果に基づき、同研究所所属科学調査船“Владимир Сафонов”(ウラヂミル・サフォーノフ)を投入、2つのステージを設定して行われている。
第1ステージは、8月、日本の水産総合研究センターと協力し、国際捕鯨委員会で採択された方法で海産哺乳類を調査算定、第2ステージとして同月後半から9月初めまでは、クジラ類の目視調査を継続し、独自方法で調査算定を行うことになっている。
なお、大型クジラ類のロシアの商業漁業が終了した現在、海産哺乳類の研究はほとんど行われておらず、この調査研究は大変意義あるものと位置づけられている。