北海道新聞 2015/10/01
活カニ輸入26年ぶりゼロ 8月の稚内港、日ロ密漁防止協定が影響
【稚内】稚内税関支署が30日発表した8月分の稚内港外国貿易概況によると、昨年12月発効の 日ロカニ密漁・密輸防止協定 の影響で激減していたロシア産活カニ輸入量がゼロになった。輸入実績ゼロは1989年3月以来26年ぶり。関係者によると、協定の影響以外にロシアのカニ漁業は年間漁獲枠があるため、カニがより高く売れる年末商戦まで、市内の業者が輸入を控えていることも関係しているという。
稚内港の活カニ輸入量は、日ロカニ協定が発効した昨年12月以降、毛ガニは1月から、ズワイガニは7月からゼロが続いていたが、今回初めてタラバガニもゼロとなった。同協定の発効後、日本への輸入には、合法的にとれたカニであることを示すロシア当局発行の証明書が必要になったが、同支署は「通関手続きが煩雑になり輸入量が少なくなっていたが、ゼロは想定外だった」と驚く。
一方で、カニ運搬船は前月より3隻少ないものの8隻入港した。同支署によると、これらのカニは稚内港で通関せず、輸入扱いにしないまま他の地域に運ぶ「保税運送」という手法で輸送された。関係者によると、カニは千歳や成田、下関などにトラックで運ばれたという。
カニビジネスに詳しい市内の関係者によると、保税運送の場合は、ロシア当局発行の証明書は必要なく、「証明書なしでロシアのカニを日本に陸揚げし、通関しないまま、高く売れる中国や韓国などに送るケースがある」と指摘している。(佐々木馨斗)
北海道新聞 2015/07/31
活カニ輸入量74%減 稚内港の上半期貿易概況 協定影響、回復難しく
【稚内】稚内税関支署は30日、上半期(1~6月)の稚内港外国貿易概況を発表した。ロシア産活カニ輸入量は前年同期比74%減の409トンと激減。入港隻数も同215隻、63%減の127隻となり、このうちカニ船は半分以下の57隻にとどまった。昨年12月に発効した 日ロカニ密漁・密輸防止協定 の影響とみられ、同支署は「協定の運用が定着し、今後もこのような量で推移するだろう」と、カニ輸入量の回復は難しいとの見方を示した。
輸入総額は活カニの減少が響き、同60%減の8億9200万円と2年連続減。うち活カニ輸入額は同71%減の5億8600万円だった。活カニの内訳は、タラバガニが同79%減の139トン、ズワイガニが同48%減の270トン、毛ガニの輸入はなかった。
同支署の花野好正統括監視官はカニの激減について「協定の影響が顕著。この状態が稚内港の平均になっていくと思う」と述べた。
また、同支署は6月分の稚内港貿易概況も発表。活カニ輸入量は前年同月比67%減の87トンで、7カ月連続で前年を下回った。カニ船は11隻だった。一方、活ウニは同2・5倍の205トンと急増し、輸入額も1億5900万円と活カニ(8900万円)を大きく上回った。(佐々木馨斗)
活カニ輸入26年ぶりゼロ 8月の稚内港、日ロ密漁防止協定が影響
【稚内】稚内税関支署が30日発表した8月分の稚内港外国貿易概況によると、昨年12月発効の 日ロカニ密漁・密輸防止協定 の影響で激減していたロシア産活カニ輸入量がゼロになった。輸入実績ゼロは1989年3月以来26年ぶり。関係者によると、協定の影響以外にロシアのカニ漁業は年間漁獲枠があるため、カニがより高く売れる年末商戦まで、市内の業者が輸入を控えていることも関係しているという。
稚内港の活カニ輸入量は、日ロカニ協定が発効した昨年12月以降、毛ガニは1月から、ズワイガニは7月からゼロが続いていたが、今回初めてタラバガニもゼロとなった。同協定の発効後、日本への輸入には、合法的にとれたカニであることを示すロシア当局発行の証明書が必要になったが、同支署は「通関手続きが煩雑になり輸入量が少なくなっていたが、ゼロは想定外だった」と驚く。
一方で、カニ運搬船は前月より3隻少ないものの8隻入港した。同支署によると、これらのカニは稚内港で通関せず、輸入扱いにしないまま他の地域に運ぶ「保税運送」という手法で輸送された。関係者によると、カニは千歳や成田、下関などにトラックで運ばれたという。
カニビジネスに詳しい市内の関係者によると、保税運送の場合は、ロシア当局発行の証明書は必要なく、「証明書なしでロシアのカニを日本に陸揚げし、通関しないまま、高く売れる中国や韓国などに送るケースがある」と指摘している。(佐々木馨斗)
北海道新聞 2015/07/31
活カニ輸入量74%減 稚内港の上半期貿易概況 協定影響、回復難しく
【稚内】稚内税関支署は30日、上半期(1~6月)の稚内港外国貿易概況を発表した。ロシア産活カニ輸入量は前年同期比74%減の409トンと激減。入港隻数も同215隻、63%減の127隻となり、このうちカニ船は半分以下の57隻にとどまった。昨年12月に発効した 日ロカニ密漁・密輸防止協定 の影響とみられ、同支署は「協定の運用が定着し、今後もこのような量で推移するだろう」と、カニ輸入量の回復は難しいとの見方を示した。
輸入総額は活カニの減少が響き、同60%減の8億9200万円と2年連続減。うち活カニ輸入額は同71%減の5億8600万円だった。活カニの内訳は、タラバガニが同79%減の139トン、ズワイガニが同48%減の270トン、毛ガニの輸入はなかった。
同支署の花野好正統括監視官はカニの激減について「協定の影響が顕著。この状態が稚内港の平均になっていくと思う」と述べた。
また、同支署は6月分の稚内港貿易概況も発表。活カニ輸入量は前年同月比67%減の87トンで、7カ月連続で前年を下回った。カニ船は11隻だった。一方、活ウニは同2・5倍の205トンと急増し、輸入額も1億5900万円と活カニ(8900万円)を大きく上回った。(佐々木馨斗)