２０１８年１２月２９日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[政府機関一部閉鎖もアラスカ漁業は年明け１月から操業を開始する]
米国議会は、大統領トランプがメキシコとの国境に壁を建設する費用を盛り込むよう強硬に主張していることを受けて与野党が対立し、期限前に新たな予算案を可決できず、２０１８年１２月２２日、政府機関の一部が閉鎖される事態となった。
しかし、漁業監視機関、沿岸警備隊等が機能するため、２０１９年年明け１月１日から、アラスカ漁業は、予定どおり大規模な冬季操業を開始する見込みだと”Ａｌａｓｋａ Ｆｉｓｈ Ｒａｄｉｏ”が伝えた。
現在、漁業者は出漁準備を続けている。
２０１８年１２月２６日
日刊水産経済新聞【札幌】“ロシア情報”
[北海道周辺の2海域 スケソウＴＡＣ増枠]
北海道機船連によると、ロシア漁業庁は2018年12月20日、2019年のスケソウTACのうち、北海道隣接海域である日本海(沿海地方海域)および東サハリン海域のTACの増枠を決定した。
19年TACは11月上旬に決定していたが、その後の科学研究機関の勧告を受け、早々に増枠改定することとなった。
日本のスケソウのTAC設定で「またがり資源」として評価されるオホーツク海・東サハリンのTACは当初の10万7200トンから12万6000トンに増加。
日本海・沿海地方のTACは1万4000トンから1万7300トンに増加した。
日本海のスケソウ資源はロシア側の研究者により、日本水域との往来が確認されている資源であり、「またがり資源」を含め、北海道周辺海域のスケソウ資源の回復が改めて示された格好だ。
“19年180万トン超”
今回の増枠により、ロシアの19年のスケソウTACの総計は、18年比2%増の180万3100トンとなった。
ロシアのスケソウ漁は来年1月から始まる。
このほか、南クリール海域のマダラのTACも、当初の7000トンから9500トンへの増枠改定が承認された。
（関連過去情報）
２０１８年１１月１９日 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[北海道隣接日本海ロシア海域スケトウダラＴＡＣ 更に増加へ]
ロシア農業省は２０１８年１１月９日付No.、５１６により、来年２０１９年のTACを承認した。
この中で資源評価が低迷していた北海道に隣接する日本海（沿海地方海域・西サハリン海域）のＴＡＣについては、２０１６年（６,５２０トン）で底を打ち、２０１７年、２０１８年と連続して増加、来年２０１９年のＴＡＣは１万６,０００トンとなった。
なお、沿海地方海域については、今年２０１８年春の太平洋海洋漁業研究所チンロセンターによる勧告（１万３,５００トン）より更に５００トン上積みのＴＡＣ設定となった。
２０１８年０５月１１日 水産経済新聞【札幌】
[日本海北海道隣接ロシア海域スケトウダラのTAC案 大幅な増枠]
北海道機船連によると、ロシアの漁業研究機関「チンロセンター」は2018年5月3日、来年2019年の極東海域のスケソウ漁獲可能量(TAC)案を発表した。総計は18年TAC比微増の178万500トンで、引き続き高水準の漁獲が続く見込みとなっている。
TAC案は関係省庁の承認などを経て、例年秋ごろに正式決定される。
海域別にみると、西べーリングが18年TACに比べ2%増の39万9,800トンとなったほか、南千島も11%増の10万4,400トンと増加。
ボリュームは小さいものの、日本海(沿海地方、西サハリン)も28%増の1万5,500トンと大幅な増枠提示となった。
最もボリュームの大きいオホーツク海は一部海区が微減したが、全体ではほぼ前年並みの107万1,200トンを確保。
北千島は9%減の9万7,900トンと減少した。
ロシアのスケソウTACは、02年に93万トンと100万トンを割ったが、07年ごろから増加傾向となり、近年は170万-180万トンの高水準で推移、実際の漁獲も拡大基調をたどっている。
道機船連の原口聖二常務は19年のTAC案のうち、北海道に隣接する日本海のTAC案が大幅な増枠となったことに言及。「この海域の資源は日本側とも往来しているとされている資源。16年(6,520トン)で底を打って以降、これで3年連続の増枠提示であり、資源増加の兆候として期待したい」とコメントしている。
