2024年01月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア ロット・パッケージ変更深海カニ投資目的漁獲割当オークション再実施設定]
ロシア極東海域の深海カニのベニズワイガニとトゲズワイガニについては採算性の低さが指摘され、漁獲割当オークションの不成立が続き、投資目的漁獲割当からこれを除外する法案も検討されてきた。
一方でロシア当局は、ロット・パッケージの構成を変え、2024年11月28日、当該オークションの実施を試みたが、やはり応札者がなく失敗に終わった。
これを受けロシア漁業庁は、2025年1月24日、スタート・プライスを10%引き下げ、再び、これを実施すると発表した。
参加申請受付期限は2025年1月21日となっている。
引き続き投資目的漁獲割当第1弾の枠組みにあり、オークションの落札者には全長50m以上のカニ漁船の建造が義務付けされることになる。
上場されるのは、採算性が低いとされる日本海のベニズワイガニとオホーツク海のトゲズワイガニで、漁獲可能量の50%x2ロットとなる。
これら以前、継続して上場されていたのは、当該漁獲可能量の16.666%x6ロットだったが、先に、2019年8月28日付政府命令第No.1918の附属書によって、ロット・パッケージの構成を変化させた。
ロシア漁業庁は2024年春に深海カニ漁獲割当オークション第1弾の落札者との資源利用契約解除をすべて完了している。
2024年4月、深海カニ漁獲割当オークション第1弾の落札者"コルヴェト"(Корвет)社、“アムール・ルイブプロム”(Амуррыбпром)社との資源利用契約解除が最後となった。
低い採算性から、深海カニの漁獲割当は業界から敬遠されがちで、計6ロットに分割された当該漁獲割当の配分に7回にわたるオークションの実施を必要とした。
継続して上場されていた日本海のベニズワイガニとオホーツク海のトゲズワイガニの漁獲可能量の16.666%のパッケージ6ロットは、2020年10月30日に開催された第4回目のオークションにおいて、初めて沿海地方の“テフィダ”(Тефида)社が4ロットを申請、やはり、競争は成立しなかったものの、規則に基づき、スタート・プライスでこれを獲得した。
残枠となった深海カニ漁獲割当2ロットの第5回目のオークションが、2021年2月2日に開催されることになり、応札申請受付は同年1月28日が締め切りだったが、これにハバロフスク登記のアムール・ルイブプロム社1社のみが申請、同様に競争は成立しなかったものの、規則に基づき1ロットを獲得した。
最後の1ロットをめぐる第7回目の残枠オークションは、2021年5月31日、電子サイトで行われコルヴェト社が落札していた。
しかし、その後、テフィダ社については、2022年3月、ロシア独占禁止庁が、同社が米国資本により不当に管理されていると認定、その後、訴訟判決結果等、一連の経緯を受け、ロシア漁業庁が2023年7月、資源利用契約を打ち切っていた。
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