内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

日本の美学・芸術精神からの西洋のそれへの問いかけ

2020-07-28 19:25:51 | 哲学

 学科長とは庶務係である。そのかぎりにおいて、私は、かなり、いや、きわめて、有能である(って、誰か褒めてくれないかなあ、この未曾有の困難を経験した今年度後期を乗り切ったご褒美として ― いわゆるひとつの承認欲求ってやつでしょうか?)。今日だって、午前中の数時間のうちに、夏休みに入りかけている大学部署諸方に連絡しまくって、数件の問題を一気に片付けたんだぜ。
 さて、研究に関しては、来年に向けて、今、ちょっとワクワクしている。
 一昨日日曜日には、来年春の日本的美学的概念についてのシンポジウムの企画への参加の話が舞い込んだ。すでに先月から、そのシンポジウムに先立って、日本美学論集の話も立ち上がっていた。これらの企画に日仏の生きのいい若手研究者たちを巻き込んでいきたい。私の父方の祖父は美学者でありかつ日仏の芸術的交流に尽力した人だった。なにか縁を感じる。今度帰国したら、これらの企画の報告のために墓参しよう。
 昨日は、ENSの高名な教授から、日中哲学概念小辞典の項目執筆の依頼が来た。出版企画段階だから、詳細は伏せるが、かなり重要な一項目の執筆依頼だ。西洋哲学思想辞典とそれを通じての西洋哲学の諸概念の東洋諸国における影響はまぎれもない事実なのに、その逆方向、つまり東洋発の哲学思想概念が西洋哲学にほんとうにインパクトを与えるということは、個別の事例はともかく、これまで辞典という企画としてはなかった。その狼煙としてこの小辞典は企画された。原稿締め切りは来夏。引き受けますと即答。やってやろうじゃん。