内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

ラヴァル大学国際シンポジウムでのオンライン発表

2023-10-05 22:47:48 | 哲学

 今さきほど、カナダのラヴァル大学で今日から始まった国際シンポジウム「哲学を地方化する」でのオンライン発表を終えたところである。明日明後日は現地会場で行われる。七月にメールで参加を依頼されたときは現地でフル参加するつもりでいたが、学期中に丸三日ストラスブールを留守にすると、後で補講する時間を見つけるのが難しくなるので、結局諦め、自宅からのオンライン参加となった。カナダとは時差が六時間あり、現地では午後三時が私の発表開始時刻であったが、こちらでは午後九時からであった。その前に夕食を済ませておいた。もちろんワインは飲んでいない。
 一面識もない主催者とこれまでのやりとりはすべてメールであり、現地の参加者たちとも今日初めて画面を通じて顔を合わせただけだから、なんかちょっと異世界と交信しているみたいで、現場の雰囲気を感じることはできなかった。今日の三つの発表はいずれもオンラインで、他の二人の発表者は、南米のペルーからと西アフリカのカメルーンからであった。南米、アフリカ、ヨーロッパという三つの異なった大陸から、北米大陸で開催されているシンポジウムに参加することがかくも簡単にできるのはとにかく便利ではあるが、あまりにも簡単すぎて、拍子抜けの感なしとしない。
 発表内容はこれまで何度か別の場所で発表してきたこととほぼ同じだったが、いずれ活字にして発表したい原稿なので、今回の発表のために原稿を推敲する機会が得られたことはありがたかった。それに、過去の発表でもそうだったが、質問によって気づかされたことが今回もあり、その分また原稿を充実させることができるし、別の論文へと発展させる可能性も見えてきた。
 これで今月最初の「アカデミックな」ミッションが無事終了した。