’83年のシングル「ファースト・ピクチャー・オブ・ユー」でロータス・イーターズと出会う。
その後、幸宏のオールナイトニッポンでロンドンからリアルタイムのロンドンの新着レコードの良い物を送ってくれていたトシ矢嶋さんの選曲で聴いた「ユー・ドント・ニーズ・サムワン・ニュー」。
この頃、ブラマンジュ、ショーナ・ダンシング、ヘイジー・ファンテイジ等々デュオ(=2人組)のロンドンのユニットがたくさん出てきたが、ティアーズ・フォー・フィアーズ(怖れの涙)が虐げられし子供の叫びと痛みを「ザ・ハーティング」=「傷つく事」に昇華する一方、ロータス・イーターズはピュアな蒼き若さの刹那さを描いた。
’84年、「地平球」「ミスター・ハートブレイク」等々ニューウエイヴが静かな方向の音に向かう中、秋口に向かってかなり大きな動きがあった。
私にとって最大の出来事は、何よりもデヴィッド・シルヴィアンの初のソロ・アルバムであったが・・・・・・・。
その前後に、ロータス・イーターズのファースト・アルバム「No Sense Of Sin」が出た。
日本盤のタイトルは「青春のアルバム」とかなり安直なタイトルだったが、そんな「ベタ」さ・通常ならこそばゆくてたまらないものがこのユニットには通用した。
その当時の「クロスオーヴァー・イレヴン」でデヴィッドのソロと同時にかかったある日の曲が、ロータス・イーターズのこのアルバムに入った「心の痛み」という曲だった。
「ファースト・ピクチャー・オブ・ユー」が夏のみずみずしい「キミとの初めての出会い」を語る一方、この「心の痛み」はティアーズ・フォー・フィアーズに近いニュアンスのものであった。
■Lotus Eaters 「心の痛み(When You Look At Boys)」
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当時、このアルバムを「通し」で聴く機会が無く時が過ぎた。
そういっている間に、聴ける糸口が無くなった。
レコードは廃盤、CDも存在しない。。。
・・・・そうして、’96年4月大阪から東京に戻って以降、のことだと思う。
新宿から大久保方面に歩く中に、多くのレコード・ショップを発見して、足しげく通うことになる。
そこで、この「No Sense Of Sin」のLPレコードを発見した。
しかし、新譜のように何枚もある。
再発されたのだと思った。
記憶に乏しいが、2000円くらいで買ったと思う。
ところが、家に戻って、そのアルバムをターンテーブルに掛けてから分かってしまった。
レコード盤を磨いても、プチプチとノイズが混じる。
また、中央の部分に曲名もタイトルもない。
また、よくよく見れば、ジャケットもコピーのように微妙にボケている。
不正コピーレコードだった。
まあ、それでも聴ければ良いか・・・と諦めた。
今では、このアルバムも既にCD化されたが、やたらと褒めちぎるのも如何なものかとも思う。
どこの国籍の方が不正コピーLPを作ったのかは知らぬが、ある意味、自分のLPレコードも貴重盤かもしれない。