名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

古い農具

2008年08月21日 | セカンドルーム

 

近所の農家のおじいさんに、今は使われていない昔の農具などを見せてもらった。
稲作や養蚕の道具、藁縄や筵を編む道具に混じって、今までに見たこともないような珍しい道具もあった。


栃の実割りは、米が貴重品であった頃、主食に稗や粟と同じように栃の実を食べていたので、その時に栃の実を割る道具である。
飛騨のお土産に栃の実せんべいや栃餅はあるが、今は主食代わりに栃の実を食べる人は居ない。


芋剪断器は、芋を米粒大に刻む道具で、米と一緒に焚いて食べていたと言う。
せめて形だけでも米粒に似せて食べたいという、米への強い思いは、飽食の今の時代では考えられない発想である。


農家と小学校が結んだ、古い契約書に記載されている内容は、売買物品「不要糞尿」、売価「参円也」と記載されている。
農家にとって下肥は、お金を出して買うほど価値のあるものであったようだ。

 
荷車を引いて町へ汲み取りに行ったのが、つい最近のような気がすると老人は語っていたが、数百年に亘って続いていた究極の循環型社会が、ここ数十年の間に消滅してしまった。

コメント
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