陽射しを遮る裏山の杉の木を少しずつ伐採してきたので、まわりは多少明るくなり、そのあとにタラの木や、朴の木、ナラ、クリなどが生え始め、春にはワラビやゼンマイも出るようになった。
30年生ほどの杉は市場価値はないし、製材や運搬コストも高いので、大半の植林地は手入れすることも無く、放置されたままになっている。
伐採した杉丸太で裏山の土留めや作業道の階段を作ったが、数年で腐って消えてしまった。
薪ストーブの燃料にも使ってみたが、一気に燃え尽きてしまうので薪の用も足さない。
丸太で屋外用のベンチや椅子も作ったが、湿気の多い山裾では腐食も早く長く使えなかった。
残った杉林は、きのこ栽培のほだ場に利用して、日除けや雪除けに少しは役立ってはいるが、杉もこの程度では不本意だろう。
飛騨では見捨てられている杉を利用して、ナメコのほだ木にしたり、杉材を圧縮して家具用材に使ったりと、色々な利用法を試みているが一般化はしていない。
杉は適材適所の場を得られないまま、花粉だけを撒き散らし、自然の風景を損なって人々に嫌われている。