虫えい(虫こぶ)シリーズですが、今回はノブドウの実に作られた虫えい(虫こぶ)の話です。この虫えい(虫こぶ)を割ってみたら2種類の幼虫が出てきたので2回に分けて書かせてもらいます。
ノブドウの果実にはタマバエの幼虫が寄生して虫えい(虫こぶ)を作ることが多いのですが、インターネットで「ノブドウ」や「ノブドウミフクレフシ」で検索すると「ブドウタマバエやブドウトガリバチの幼虫が寄生して虫えいを作ることが多く・・・」という記述が多く見られます。これは山渓ハンディ図鑑の引き写しだろうと思われますが、正確にはブドウタマバエとかブドウトガリバチという虫は存在せず、この虫えい(虫こぶ)はノブドウミタマバエ(ノブドウタマバエ)によって形成されたものがほとんどなのです。
ノブドウミフクレフシは正常な実(↑熟すと白ぽい色をしています)よりも肥大して黄白色~紅色や紫色・碧色(↓)になっています。ノブドウには、このパステルカラーの虫えい(虫こぶ)ばかりで正常の実がほとんどない個体が多く見られます。
正常な実を割ると種子が形成されていますが・・・
ノブドウミタマバエの場合は漿質になって中央に一つの幼虫室があって1匹の橙黄色の幼虫が入っています。
↓こちらは既に蛹になっていました。
本州では2~3世代を繰り返すと言われていて、一世代目はウツギメタマフシを形成するタマバエであるという説もあるようですが不明です・・・
1900話目です。何時もご支援ありがとうございます。の文字またはバナーをポチッと一押しお願います。
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