元日は、雪です。
中学生の時、
新聞配達をしていました。
元旦の新聞は、いつもの3倍はあって、
二度に分けて配達した覚えがあります。
自転車の荷台にくくりつけるには、
多すぎて、転唐キると、大変だから。
まして、
今日のような雪の日は、
配達は二重に大変だと、
想像しました。
厚い元旦の新聞を見ると、
当たり前ですけれど、
明日は休刊日。
たまに祭日の時、
「明日の朝刊はお休みさせてもらいます」
とあると、
ちょっぴりがっかりします。
あまりいつもは意識していないけれど、
僕は新聞が好きなんだと思います。
疲れている時、本は読めなくても、
新聞だけは読めます。
今朝は、
谷川俊太郎の詩が、
大きな字で載っていました。
読んでから、
いきもの地球会議(COP10)に添って、
書き下ろしされたものだと知りました。
長いけれど、
引用します。
---
みんなちがって 谷川俊太郎
たとえれば
この世は複雑精緻(せいち)なジグソーパズル
ありとある生きものがパズルの一片
風に乗るもの 地をはうもの
砂にひそむもの 岩に棲(す)むもの
水に潜るもの 草原を駆けるもの
ピースひとつがまた枝分かれして
数え切れないピースがひしめき
どんな小さいピースが欠けても
世界はその傷口から病んでゆく
たとえれば
この星は和音に満ちたオーケストラ
そこではひとつひとつのいのちが楽器
囀(さえず)るもの 吠(ほ)えるもの
コトバもつもの うめくもの
黙っているもの 地響き立てるもの
繊細微妙ないのちの波動が
スコアに書けないいのちのとどろきが
太古から豊かな調べを奏でている
確かなリズムを刻み続ける
自然が生んだ生きものたちの
さまざまな形さまざまな色さまざまな性(さが)
ヒトの都合で左右できない天与の豊饒(ほうじょう)
それをかつて一人の娘はこう記(しる)した
「みんなちがって みんないい」
(末尾のことばは、金子みすずの詩「私と小鳥と鈴と」より
---/----
谷川俊太郎はかなり高齢になったと思います。
それでもこんな詩が詩人には書けます。
去年読んだ新刊「私」も、凄く良かった。
去年の新聞で、
まどみちおさんの詩が、本人の写真付きで載っていました。
まどみちおさんは100歳、現在、
アルツハイマーのため、入院中とのこと。
それでも、現在なお、詩をお書きになっていて、
おおきな顔写真を見ると、
顔にたくさんのイボがくっついていました。
それは魚にくっついている丸い小さな貝と、
重なりました。
みんなちがってみんないい、
という金子みすずの言葉は、
あまりに有名ですけれど、
こうして谷川俊太郎によって、
引用され、解釈されるのを見ると、
「みんなちがって みんないい」
という言葉が、
本当に生きている、息をしている、
と感じます。
言葉。
声に出してみると、
肉体化される、
その不思議。
中学生の時、
新聞配達をしていました。
元旦の新聞は、いつもの3倍はあって、
二度に分けて配達した覚えがあります。
自転車の荷台にくくりつけるには、
多すぎて、転唐キると、大変だから。
まして、
今日のような雪の日は、
配達は二重に大変だと、
想像しました。
厚い元旦の新聞を見ると、
当たり前ですけれど、
明日は休刊日。
たまに祭日の時、
「明日の朝刊はお休みさせてもらいます」
とあると、
ちょっぴりがっかりします。
あまりいつもは意識していないけれど、
僕は新聞が好きなんだと思います。
疲れている時、本は読めなくても、
新聞だけは読めます。
今朝は、
谷川俊太郎の詩が、
大きな字で載っていました。
読んでから、
いきもの地球会議(COP10)に添って、
書き下ろしされたものだと知りました。
長いけれど、
引用します。
---
みんなちがって 谷川俊太郎
たとえれば
この世は複雑精緻(せいち)なジグソーパズル
ありとある生きものがパズルの一片
風に乗るもの 地をはうもの
砂にひそむもの 岩に棲(す)むもの
水に潜るもの 草原を駆けるもの
ピースひとつがまた枝分かれして
数え切れないピースがひしめき
どんな小さいピースが欠けても
世界はその傷口から病んでゆく
たとえれば
この星は和音に満ちたオーケストラ
そこではひとつひとつのいのちが楽器
囀(さえず)るもの 吠(ほ)えるもの
コトバもつもの うめくもの
黙っているもの 地響き立てるもの
繊細微妙ないのちの波動が
スコアに書けないいのちのとどろきが
太古から豊かな調べを奏でている
確かなリズムを刻み続ける
自然が生んだ生きものたちの
さまざまな形さまざまな色さまざまな性(さが)
ヒトの都合で左右できない天与の豊饒(ほうじょう)
それをかつて一人の娘はこう記(しる)した
「みんなちがって みんないい」
(末尾のことばは、金子みすずの詩「私と小鳥と鈴と」より
---/----
谷川俊太郎はかなり高齢になったと思います。
それでもこんな詩が詩人には書けます。
去年読んだ新刊「私」も、凄く良かった。
去年の新聞で、
まどみちおさんの詩が、本人の写真付きで載っていました。
まどみちおさんは100歳、現在、
アルツハイマーのため、入院中とのこと。
それでも、現在なお、詩をお書きになっていて、
おおきな顔写真を見ると、
顔にたくさんのイボがくっついていました。
それは魚にくっついている丸い小さな貝と、
重なりました。
みんなちがってみんないい、
という金子みすずの言葉は、
あまりに有名ですけれど、
こうして谷川俊太郎によって、
引用され、解釈されるのを見ると、
「みんなちがって みんないい」
という言葉が、
本当に生きている、息をしている、
と感じます。
言葉。
声に出してみると、
肉体化される、
その不思議。