先日、体力があったので、
このライブに行ってきました。
聴いたことはない歌がたくさんあって、
歌詞を聞いていると、
ハッとしたことが何度もあり。
「哲学の本」
「ここ(植物の色)から宇宙まで行ける」
音録をたどって、いちいちを、分析。
犬塚さんの声は天性のもので、
おそらく人間の脳に快楽を与える音声(おん・せい)なのだと思います。
だからずっと聞いていたい。
犬塚さんの歌は、
うるさくない。
静かに軽やかに歌うということではなく、
(存在が)うるさくない楽曲ばかり。
まるで、腰まである草の中を、
歩いている時のように、
それは緑で、青で、赤で、風が吹き、
雨が降り、
「ほら、この花の色から社会にも、どこにでも宇宙にも行ける」
とか、
「新しい時代のために、古い本を読む」とか、
教養の美しさが、緑の美しさに重なってくる。
こうして僕ら、自然界から、
本当に多く救われ、
多く、得る。
いつだったか、犬塚さんから構造主義というものを、
判りやすい言葉で、教えて頂いた。
原理ということも。
あの時から、
構造と原理ということを、
よく考えるようになった。
そういうむつかしいことは、
歌わない。
ただ、味噌汁を飲むように、
歌う。
「本」にまつわる歌詞、
たとえば、本屋、古典の本、分厚い本、が出てくる。
それは犬塚さんにとって、
当たり前の生活の営みで、
気取っているわけではなく、
当たり前の生活の歌が、
教養的。
こういう歌い手は、
今まで見たことがない。
おそらく、今後も。
ずっとできれば、
歌ってほしいと思っています。