山深きJRの駅
そこで降りると
直結しているのが
温泉
へえ
こんな駅もあるんだな
って
温泉に入った
そして
図書館にあるような
小さな机で
本を読んでいると
向かいにあの人がやってきて
ニコッと笑い
仏法の古書と
地元のお菓子の袋を破って
珍しい本の頁をめくった
表紙も
そんな夢
サンドイッチ!!
朝
お弁当に入れる
細い大根
もう上に葉しかないので
試しに
鉢植えの隙間に
指で土に穴を掘って
捨てるはずの
大根を植えてみる
肝心の葉は
黄緑に変色し
すでに力尽きる寸前
水と土と光の力を頼りに
朝っぱらから
そんなことをして
お弁当を持って
労働場に
向かう
名古屋駅周辺の
昭和の写真集
名古屋駅は
蒸気が以前あふれ
温泉があったのだという
あ
夢の暗示だ
―――
太陽の傘
彼は
べらんめえ
仏さまのように
笑う
たくさんの
錆びた十字架を吊る
人間を元気にする人間
豊橋からのちんちん電車
自分の手を引いて
---
浄心にて
私たち
植え込みに座り
アイスコーヒーを飲んで
行き交う人や
群れる高校生の脇にいて
くだらない話で笑い
東の先
弁天通りをまっすぐに
そのずっと先
山が見える
青いというけど
青くない
グレイというが
グレイでもない
山の色は近くに行けば
緑色に違いない
遠くからは
色はなく
寒色ではあるのだが
形は山
間違いなく
ここで
見るのは
山なのだ
「何山だ?」
とは互いに発せず
「あ、山だねえ!」
と小さく感じて
声に出す
背後は
おそらく
夕暮れの色
そこで降りると
直結しているのが
温泉
へえ
こんな駅もあるんだな
って
温泉に入った
そして
図書館にあるような
小さな机で
本を読んでいると
向かいにあの人がやってきて
ニコッと笑い
仏法の古書と
地元のお菓子の袋を破って
珍しい本の頁をめくった
表紙も
そんな夢
サンドイッチ!!
朝
お弁当に入れる
細い大根
もう上に葉しかないので
試しに
鉢植えの隙間に
指で土に穴を掘って
捨てるはずの
大根を植えてみる
肝心の葉は
黄緑に変色し
すでに力尽きる寸前
水と土と光の力を頼りに
朝っぱらから
そんなことをして
お弁当を持って
労働場に
向かう
名古屋駅周辺の
昭和の写真集
名古屋駅は
蒸気が以前あふれ
温泉があったのだという
あ
夢の暗示だ
―――
太陽の傘
彼は
べらんめえ
仏さまのように
笑う
たくさんの
錆びた十字架を吊る
人間を元気にする人間
豊橋からのちんちん電車
自分の手を引いて
---
浄心にて
私たち
植え込みに座り
アイスコーヒーを飲んで
行き交う人や
群れる高校生の脇にいて
くだらない話で笑い
東の先
弁天通りをまっすぐに
そのずっと先
山が見える
青いというけど
青くない
グレイというが
グレイでもない
山の色は近くに行けば
緑色に違いない
遠くからは
色はなく
寒色ではあるのだが
形は山
間違いなく
ここで
見るのは
山なのだ
「何山だ?」
とは互いに発せず
「あ、山だねえ!」
と小さく感じて
声に出す
背後は
おそらく
夕暮れの色