kotoba日記                     小久保圭介

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『宇宙から聞こえる音楽』ーー岡崎リョウタ氏に捧ぐ

2022年06月20日 | 生活詩

         

 

『宇宙から聞こえる音楽』ーー岡崎リョウタ氏に捧ぐ

 

幼きころ

君は僕をケイちゃんと呼び

僕は君をリョウちゃんと呼んでいたに

違いない

それさえも定かでないほど

僕らは未来へ来たようだ

でもここは未来でもなんでもなくて

あの夏の日と同じように

蝉の音が鳴っている

幼きころ

僕らは何をして何を思っていたのだろう

どこに行っていたのだろう

家を行き来していたような気もするが

そんなこともしてなくて

じっと

蟻の巣で群がる黒を

二人黙って

観察していたのかも知れないのだが

それさえも定かでないほど

僕らは未来へ来たようだ

想像していた未来とは

まったく違い

宇宙船もなければ

未来都市もありはしない

僕らは未だに戦争する人間として

息を吸ったり息を吐いたり

あの時飲んだ

味噌汁の

いつまで経っても飽きることなく

碗の中の味噌渦巻きに

宇宙を見ている

幼き時から

僕ら想像力だけはあったかも知れず

それを生きる杖にして

今日もまた

何かを作っているだけだ

未来などすでに思わず

過去も思わず

今も思わず

ただ

蝉の音に

耳を澄ませ

あの林に行ったら

きっと蝉の音の交響で

その下に立っていると

蝉の音楽が

まるで宇宙から

聞こえてくるようで

そんなことを

リョウちゃんの

誕生日に伝えてみたくなったのだ

おめでとう

 

 

 



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