暑い 半袖
バス停前
小谷さんを思
あの門で
このベンチで
晩年は
体型 顔 表情 背丈 まで
似ていた
皆に「そっくりだね」
と何人にも言われた
彼は庫裡(くり)に棲み
庫裡から歩いて駅へ行った
どの労働場でも
早く来て
静かな場所を探し
一人 目を瞑っていた
小谷さんの所作はすべて
今思えば
修行だと判った
突然
空に帰った
もう二年前
ある時
冬だろう
葉が落ちた並木があった
「こういう丸裸の木、裸木(らぼく)って言うらしいですよ」
とわたしが言う
「勉強になりました」
と小谷さんは言う
あの時はまだ彼は敬語だった
思い出がありすぎて
困る
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