kotoba日記                     小久保圭介

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山川草木

2022年05月10日 | 生活

         

 

富山から

やってきた男は

言った

「山川草木」

朝から公園のベンチに座っていたという

ーーー

短いメールは

アカウントが消滅していて

戻ってきた

時は経た

ーーー

アジア系の女性二人と子供一人

道を聞かれた

Googleマップで調べた

「在宅サービスセンターはこの向こうの道です」

わたしの後ろポケットからはみ出たペットボトル

触れて動くは アジア系の幼き子供の手

笑う四人 笑い合う四人

「スミマセン アリガトウゴザイマシタ」

国境と言語を軽やかに超えるのは

笑いと音楽と手

ありがとう

ありがとう

アマテラス様

ありがとうございます

ーーー

公園は一点ずつ

寂しさが息づく

子をブランコに乗せ

揺らす母

スマホを見ながら

ーーー

山川草木

と言った富山から来た男は

寂しさ深く

すでに笑ってさえいる

ーーー

諸々の原因は

寂しさから発生する

諸々をじっと見ていれば

それが判る

寂しさを辞書で引くと

『何かが足りない状態』

と出る

仏門の掲示言葉を思い出す

『裸で生まれて何不足』

足るを知る

それに尽きる

知る者は

雲の動き 楽しき

知らぬ者は

空見るを忘れ

己を見て 苦しき

雲は常に

利他へと動く

わたしたちには雨

山川草木には

慈雨となる

みんな元気だったら

それでいい

何がどうしても

みんな元気だったら

それでいい

束の間の元気でも

空元気でも

それでいい

願っています

 

 

 

 


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