初音ミクオーケストラ(以下HMO)が2枚目のアルバム出していたと知って、発売からは随分経ってたらしいけど、早速ヨ○バシのCDコーナーで見つけて購入。
タイトルは「増殖気味 X≒MULTIPLIES」。むろん、YMOのアルバム「増殖 X∞MULTIPIES」(右)のパロディーではあるが、前作同様、音楽の仕上がりがとてもいい。そもそも「NICE AGE」や「CITIZENS OF SCIENCE」が、テクノというよりニューウェーブの影響を受けた、ギターサウンド冴え渡るアップテンポなナンバーだが、その疾走感そのままに、今の時代にあったカヴァー曲に仕上がっている。
曲順も、「増殖」と同じで、タイトル曲「MULTIPLIES」は、「DAY TRIPPER」(YMOでは「SOLID STATE SURVIVOR」に収録)に変更されている。また、「増殖」は楽曲とコント「スネークマンショー」が交互に収録されているが、この「増殖気味」にも、曲間のコント「HMO ON THE AIR」が収録。「スネークマン・・・」同様、時代を切り取った(?)内容(「京急の車掌」「遭難」「おれおれ詐欺」「ミク猫」「ボカロ討論」⇒以上、筆者が勝手にタイトル付けた)になっていて、雰囲気も「スネークマン」に近い。しかしここはボーカロイドではなく、音源元の声優さんが担当されている。
これだけ高クオリティなサウンド。付属ブックレットの末尾にスタッフリストが載っているが、そのメンツがこれまたすごい。
前作より生演奏の比率が上がってるらしく、ギターに大村真司氏が参加。父の故・大村憲司氏は「増殖」でのギター担当されたり、ワールドツアーのメンバーとして同行されたこともあり、まさに「血を受け継いだ」存在。そして、ピアノに飯野賢治氏が参加(先日急逝されたのが嘘のよう・・・)。さらに、YMOの演奏を完全再現できる「O-SETSU-Y」のメンバーも参加。超難しいといわれる「タイトゥン・アップ」のベースはこの人が弾いているのだろう。
またエンジニアとして、前作に引き続き小池光夫氏が、さらにミックス担当として寺田康彦氏も参加。YMOの音を知り尽くしたこの2人なら、サウンド面は本物だ。
そもそも、今回のこのCD聴くきっかけも、たまたまYou○ubeで視た「体操」のPVから、「NICE AGE」を視たときに感じた衝撃。「おおおっ!」。そのままどこかの広告代理店がCFに使ったりしないだろうか?曲の雰囲気から、かつての「君に、胸キュン」みたいに、化粧品会社が使ってくれないかな・・・なんて、妄想に近いことが頭の中でバババッと浮かんだもので。
惜しむらくは、おまけのDVDに収録されてなかったことかな?それを差し引いても、YMOファンが思わず「ニヤニヤ」するような濃いネタ満載なのは変わりがなく、帯に書いてあるコピー「一家に2~3枚でしょ!?」の元ネタがわかったら、大したもんだ。
HMOの1枚目をレビューした頃に比べて、いわゆる「萌えキャラ」に対するアレルギーは、やや少なくなったと思っている。「初音ミク」に至っては、国営放送も番組テーマ曲で採用するし、かの冨田勲氏とも共演するなど、いまや市民権を得たように思うのだが、CD探したとき、国内アーティストにも、アニメ・アニメ声優のジャンルにもなかった。で、やっと「ニ○動関係」で見つけたからな。
とはいえ、その前に数年ぶりに「ソ○マップ」に入ったが、あまりの場違い感が自分の中に沸き起こり、探せずにそそくさと退散しちゃったなぁ。