栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

専門家の意見を聞けば商品開発に失敗する。

2012-12-04 07:59:52 | 視点
 「プロの意見を聞きたい」「専門家の意見を聞き、開発した」。

中小企業が新商品を企画したり、開発する際によく耳にする言葉である。

ところが、このように専門家や、商品を熟知しているはずのヘビーユーザーの意見を参考に

開発したにもかかわらず、あまり売れなかったという例は案外多い。

 一方的な思い込みではなく、ユーザーニーズを調査して開発したのに、なぜ売れなかったのか。

そこには製造業の陥りやすい盲点がある。以下、具体例を上げながら見ていこう。

◆販売前に品切れになったコンデジ

 カシオ計算機(以下カシオ)は先進的かつユニークな企業である。

電卓やデジカメを現在のように普及させた立役者でもある。

だが、開発した商品が発売前に品切れになり、販売停止にしたのは同社の歴史始まって以来だろう。

 断っておくが、発売「直後」に品切れになったわけではない。

発売「前」に品切れになり、以降の販売を停止したのだ。

 この商品とはカシオのコンパクトデジカメ(以下コンデジ)「EXILIM EX-TR150」である。

カシオのコンデジといえば高速撮影ができることで有名だが、この商品は「自分撮り」がウリである。


◆モノづくり神話から脱却できない

 いいモノが売れるとは限らない--。

すでに言い古された言葉にもかかわらず、モノづくりの現場は「いいモノ」を作ろうとする。

 ユーザーニーズという神話に捕らわれるとこうなる

 ユーザーニーズの魔物に振り回されたメーカーは多いが、根本は「いいモノは売れる」という

モノづくり神話から抜け切れていないことだ


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