栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

著名人の訃報が相次いだ2015年

2014-12-19 16:01:34 | 視点
 年の瀬になると増えるのが喪中はがき。
今年は少ないだろうと勝手に思っていたが、案に相違して逆に多かった。

 ところで、この喪中はがき、私は一度も出したことがない。
父の時は暮れも押し迫った25日に亡くなったということもあり、いつも通りに出した。
すでに投函した後だったということではない。
その頃は年末ギリギリか年が明けてから年賀状を書いていたので、いつも通りに出した。
妻の時もそうだった。

 玄関に「忌中」と張り出すこともしなかった。
我が家は仏教と違い神道だから、死後は神様として祭られる。
「忌」はない。
すべて祭りである。

だから、喪中はがきを出さない、というわけではない。
喪には服すが、それはごくごく私的な、内々のことで、敢えて人様にお知らせする程のことではないと思っているだけだ。
それともう一つは、「今年は年賀状が1通も来なくて寂しかった」という声を過去に聞いたことがあるからだ。

 それにしてもいつ頃から喪中はがきを出す風習が広まったのだろうか。
昔からあったわけではない。
広めたのは印刷業界だと耳にしたことがある。
不況で企業からの大口発注が激減した数10年前、業界の生き残り策を模索して個人客の開拓に動き、仕掛けたらしい。
 頭のいい人がいたもので、以後まんまとその策略に乗せられている。
といって、それを非難しているわけではない。
むしろ感心している。
発想を変えればビジネスの種はどこにでもあるものだ、と。

 ところで今年ほど有名人が相次いで亡くなった年はないだろう。
直近だけでも高倉健、羽仁未央、中島啓江、松本健一、菅原文太、呉清源の各氏が他界した。
 羽仁、中島両氏は50代とまだ若かったが、呉清源氏は100歳。囲碁界では有名で棋聖と称された人だ。
羽仁未央氏は羽仁五郎氏のお孫さんで、我々世代にはある種の郷愁を呼ぶ名前。
オペラ歌手の中島啓江さんはずっと「ひろえ」とお読みすると思っていたが、今回はじめて「けいこ」だと知った。
 多少馴染みがないのが松本健一氏ではないだろうか。
私と同世代の大学教授、評論家で、北一輝の研究で早くから知られていた。
民主党政権下で内閣官房参与を務めたから、もしかすると知られているかもしれないが。