栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

拡大資本主義はどこへ向かうのか。

2015-12-15 10:13:48 | 視点
 我々はどこから来て、どこへ行くのか--。

東芝の不正会計(粉飾決算?)に始まり、タカタの欠陥エアーバック問題、
旭化成建材による杭打ちデータの改ざん(その後、旭化成建材にとどまらず
業界全体へと拡大)と日本を代表する大企業の不正問題が次々に明らかに
なっただけでなく、ドイツを代表する自動車メーカー、フォルクスワーゲン
(VW)も排ガス規制逃れのためにソフトを改ざんするなど、今年に入って
世界的な大企業が次々問題を起こしている。

 いずれも業界を代表する大企業。
本来なら業界他社の模範にならなければいけない立場だ。
それが不正を働いていたのだから呆れてものが言えない。
企業倫理も地に落ちたものだ。

タカタ、旭化成建材は存亡の淵に

 これらの企業はいずれ高い代償を払わされることになるだろうが、タカタ、
旭化成建材は存亡の危機に立たされるかもしれない。
はっきり言えば数年を待たずに消滅しているのではないだろうか。

 存続できているかどうかはひとえに資金力にかかっている。
タカタはホンダ車とともに伸びてきたと言っても過言ではない。
ところが、そのホンダが今後発売する新モデル車にタカタ製の主要部品を使用
したエアバッグを使用しない方針を表明(11月3日発表)しただけにとどまらず、
三菱自動車、富士重工業、マツダもホンダとほぼ同じ対応を表明している。
11月23日には米フォードも同様の方針を発表。

 タカタにとってこれは非常に大きな意味を持っている

 フォルクスワーゲンも大きく信頼を失墜したが、タカタの場合と違う

 では、900億円もの営業赤字を出した東芝はどうか。

 それにしてもなぜ大企業で、こうも問題が発生するのか。
大企業に何が起こっているのか。
なぜ今なのか。なぜそうなるのか。
企業とは一体何なのか。
企業はどこに向かっているのか。どこに行くのか--。

           (中 略)

ゴーギャンの疑問と予見

 「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
という言葉自体がキリスト教と無縁ではなく、「ヨハネによる福音」の次の言葉に
対するアンチ、あるいは皮肉を込めたものと思われる。

「たとえ私(イエス)が自分について証しをするとしても、その証しは真実である。
自分がどこから来たのか、そしてどこへ行くのか、私は知っているからだ。
しかし、あなたたちは、私がどこから来てどこへ行くのか、知らない」

           (中 略)

グローバル競争と拡大主義

 それにしても、なぜ、大企業は道を誤るのか。弱小零細企業は真面目に頑張っているというのに。
 背景にあるのは市場のグローバル化と拡大資本主義

           (以下 略)

 <余談>
 「我々は遠くから来て、遠くへ行くのだ・・・」は織田信長によって八つ裂きの刑に
処せられる「影丸」が最後に無声伝心の法で森蘭丸に伝えた言葉である。
 この言葉、白土三平氏がイタリア共産党のトリアッティの言葉を利用したものだ
という説があるが、ゴーギャンの言葉からヒントを得たと氏自身から聞いたという説があり、
出所ははっきりしない。

 タカタの会長兼社長の高田重久氏は3代目である。
「3代目が身上潰す」とは昔からよく言われてきたことだし、
「栗野的視点」で「会長兼社長」の権力独り占めの危険性についても過去何度か触れてきた。
タカタがそうならないことを願うが、多くの企業(中小零細も含め)にとって
対岸の火事ではなく、他山の石とすべきことだろう。


 ☆全文は「まぐまぐ」内の下記「栗野的視点」ページから

 「栗野的視点」はリエゾン九州のHPにも収録しています。




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