フレックスタイム制は、業務の繁閑を労働者ごとに調整できるため、総じて労働時間の短縮が期待できると言われる。また、個々の労働者にとっては、家族との団らんの時間が増える、地域活動に参加できる、通勤ラッシュを避けられる等々、「ライフ・ワーク・バランス」に配慮した働き方ができるようになり、一方、会社にとっては「働きやすい職場」との印象から企業イメージ向上にも寄与できるといったメリットもある。
しかし、フレックスタイム制には、メリットばかりでなく、デメリットも多数あることは忘れてはならない。
第一に挙げられるデメリットは、労働時間管理が煩雑になることだ。
所定労働時間が固定しているなら、そこから外れる時間(遅刻・早退や残業等)だけ把握しておけば良いところ、フレックスタイム制では始業時刻も終業時刻も労働者ごとに異なることになるのだから、それらをすべて記録し、管理する必要がある。管理ツールを導入するにしても、費用の掛かる話であるし、本人や上司や労務担当者の負担は間違いなく増すことは承知しておくべきだろう。
また、労働者のパーソナリティに帰依する話ではあるが、生活がルーズになりがちであり、それに対応するべく、会社の管理体制を整える必要も生じてくる。
社内コミュニケーションの点からは、各人の勤務予定を職場内で共有しにくくなり、職場の一体感も薄れてくる(特にコアタイムを設けない場合)という心配がある。加えて、他部門との連携が取りにくくなることもあって、会社全体として知識・情報・ノウハウの蓄積が図りにくくなるという一面もある。
さらに細かいことを言えば、朝早くから夜遅くまで稼働しているため、光熱費がかさむという問題もある。
フレックスタイム制の導入を検討している会社は、こういったメリット・デメリットをしっかり検証してから結論を出すようにしたいものだ。
※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
(クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
↓
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/ba/fe430b541f54c6f90c5113f661d2c615.png)