1年を超えて雇った、または雇用契約を複数回更新した、パートやアルバイトを雇い止め(次期の雇用契約を締結しないこと)する場合には、労働者から求められたら「雇止めの理由」を記した証明書を交付しなければならない。
この場合、雇い止めの理由は「契約満了のため」だけでは不充分であり、「なぜ契約を更新しないのか」を書かなければならない。
厚労省の通達には次のような具体例が示されているので、参考にすると良いだろう。
(1) 前回の契約更新時に、契約を更新しないことが合意されていたため
(2) 契約締結当初から設けていた更新回数の上限に該当するため
(3) 担当している業務が終了または中止したため
(4) 事業縮小のため
(5) 業務を遂行する能力が十分でないと認められるため
(6) 職務命令に対する違反や無断欠勤など、勤務態度不良のため
(H15.10.22基発第1022001号より)
ところで、一部には誤解もあるようだが、雇用契約を締結するか否かは基本的には当事者の自由なのであって、「雇止め」自体、労働契約法や労働基準法で禁じられているものではない。ただし、それが合理的な理由なく社会通念上相当でない雇止めであった場合には無効となるという話だ。
通常、会社側には雇い止めせざるを得ない合理的な理由があるはずであるから、労働者からこういう証明書を求められても身構えずに、それを臆せず書けば良い。
ただ、できうるならば、契約を更新しないことが決まったら早い段階で本人に事情を説明し、雇止めに納得してもらっておきたい。さらに、その際に『雇止め合意書』を交わしておければ、なお望ましい。そうすれば後々のトラブルを心配しなくて済む。
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