労働保険(労災保険および雇用保険)の年度更新は、今年に限り、8月31日となっている。まだ申告していない会社は、急ぎ手配されたい。
ところで、例年、この年度更新申告書が正しく作成されていない例が少なからず見受けられる。特に建設業において顕著だ。
そもそも建設業は、二元事業と呼ばれ「労災保険」と「雇用保険」とを分離して申告書を提出することに加え、保険料の計算方法も複雑なため、間違えやすい。
そこで、行政から指摘されがちなミスを、以下にいくつか挙げてみることとする。
まず、建設業の労災保険には「現場労災」と「事務所労災」とがあるが、そのうちの「事務所労災」がそっくり申告されていないケースが目立つようだ。
事務職員のいる会社ばかりでなく、現場労働者でも事務所で仕事をすることがある場合には、現場以外での事故は現場労災でカバーできないので、「事務所労災」が必要となるのだ。
また、労災保険料算出の基礎となる「賃金」については、元請工事請負額から推計することが可能だが、この請負額に「請負金額500万円(または1500万円)未満の工事」が合算されていないことがある。
もしかしたら建設業許可が不要とされる「軽微な工事」と混同しているのではないかとも疑われるが、労災保険では「すべての元請工事」が対象となるので、注意しておきたいところだ。
そして始末が悪いのが、これら不正申告(意図的なものかケアレスミスかを問わず)の多くが、現実に労災事故が発生した時に発覚するという点だ。
事故が起きて時間的にも精神的にも切羽詰っている時に余計な仕事を背負い込んでは堪らない。平時にこそしっかりチェックして、正しく申告しておきたい。
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