ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

建設業では上限なしに残業させられるのか?

2021-08-23 11:59:14 | 労務情報

 時間外労働については、原則として「月45時間」を限度とすることが行政通達(旧労働省H11基発45号)で定められている。 しかし、この限度基準は「工作物の建設等の事業」、「自動車の運転の業務」、「新技術、新商品等の研究開発の業務」等には適用されない。
 このことをもって、これらの事業(または業務)では「三六協定」(サブロク協定=「時間外労働・休日労働に関する労使協定」;労働基準法第36条に基づくためこう呼ばれる)を締結しなくても時間外労働させられるかのように誤解している人もいるが、そうではない。 これらの事業(または業務)でも、法定時間外労働をさせるには三六協定は締結しなければならず、そこには時間外労働の限度時間を記載しなければならない。 ただ、その「限度時間」については、“労使が合意した時間数”を書けば良いという趣旨なのだ。

 では、建設業等では三六協定さえ締結しておけば無制限に残業させることが可能かと言うと…‥


※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  

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募集情報等提供事業と職業紹介事業との相違に注意

2021-08-13 11:59:23 | 労務情報

 労働基準法第6条は、原則として、業として他人の就業に介入して利益を得てはならないことを定めている。 ただし、同条前段には「法律に基いて許される場合の外」と例外規定をおいてあり、現実に、「有料職業紹介事業」や「労働者派遣事業」は、厚生労働大臣の許可を得ればそれらの事業を行うことができる。

 ところで、これらと似ているが性格を異にする「募集情報等を提供する事業」は、「他人の就業に介入」するわけではないため、法令で禁じられておらず、当然ながら許可制度も設けられていない。
 しかし、この募集情報等提供事業は「企業側の求人情報を求職者に提供するもの」と「求職者の情報を企業に提供するもの」とに大別されるところ、特に後者において、昨今、単なる情報提供に終始せず、求職者情報を加工したり、提供先企業を選別したり(いずれも「職業紹介」とみなされる)する業者が多く見受けられ、問題となっている。
 また、大手就職情報サイトが就職活動中の学生に係る「内定辞退可能性スコア」を企業に提供していたことが発覚して議論を呼んだのも、記憶に新しい。

 こうした問題を受けて、厚生労働省では「民間企業が行うインターネットによる求人情報・求職者情報提供と職業紹介との区分に関する基準」を発し、具体的に、次のようなケースは「職業紹介事業」に該当することを示している。
  1.提供される情報の内容又は提供相手について、あらかじめ明示的に設定された客観的な検索条件に基づくことなく情報提供事業者の判断により選別・加工を行うこと。
  2.情報提供事業者から求職者に対する求人情報に係る連絡又は求人者に対する求職者情報に係る連絡を行うこと。(オンラインでの面接日時調整機能もこれに該当する)
  3.求職者と求人者との間の意思疎通を情報提供事業者のホームページを介して中継する場合に、当該意思疎通のための通信の内容に加工を行うこと。
 ここに掲げられたようなことを募集情報等提供業者が(有料職業紹介の許可を受けずに)利益を得る目的で行った場合は、職業安定法第30条違反となり、一年以下の懲役または百万円以下の罰金に処せられる(同法第64条第1項)。

 また、同省雇用安定局は、「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」を立ち上げ、「有料職業紹介事業及び募集情報等提供事業等をより適正かつ効果的に運営するための制度の在り方」を含む議論を進めている。

 一方、こうした募集情報等提供業者の顧客となりうる企業の側としては、「職業紹介」は原則として禁止されていることを踏まえて、それらの相違を正しく理解したうえで利用するべきだろう。


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通勤途上で事故に遭った場合でも「業務上」と判断されるケース

2021-08-03 10:02:00 | 労務情報

 労働者が住居から就業の場所へ合理的な経路で向かう道中(もしくはその帰途)で事故に遭った場合には、通常は「通勤災害」(すなわち「業務外」)として処理する。しかし、状況によっては「業務上災害」として扱うべきケースもあるので、人事労務担当者として“一つ覚え”は控えたい。

 通勤途上の事故であっても「業務上」として扱うべき典型例は…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  

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