ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

年次有給休暇取得中にも通勤手当の支給義務あり

2020-05-23 10:31:34 | 労務情報

 年次有給休暇はその名のとおり「給料の出る休暇」であるので、正当に有休を取得した従業員には、“通常の賃金”を支払わなければならない。
 その“通常の賃金”は、
  (1)「所定労働時間を勤務した場合の賃金」
  (2)「平均賃金(直近3ヶ月間の賃金総額をその期間の総日数で割った額)」
  (3)「健康保険法99条に定める標準報酬日額」(労使協定を締結する必要あり)
の3通りのうちいずれかの方法で計算されるが、意外な盲点として、いずれにも“通勤手当”が含まれている点には注意を要する…‥


※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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「介護休暇」・「子の看護休暇」の時間単位取得に関する注意点

2020-05-13 12:59:23 | 労務情報

 育児介護休業法施行規則が改正され、令和3年1月1日から、「介護休暇」と「子の看護休暇」(以下、本稿ではこれらを「介護休暇等」と総称する)が時間単位で取得できるようになる。
 現行制度において、介護休暇等は、対象家族1人の労働者には年間5日、対象家族2人以上の労働者には年間10日を、1日単位または半日単位で与えるものとされているのを、来年からは、1時間単位に刻んで与えなければならなくなるのだ。

 これに関しては、いくつか注意点がある。

 まず、新制度では、介護休暇等を1時間を超える単位(例えば「2時間単位」)で与えることにしてはならない。
 その逆に、1時間未満の単位(例えば「30分単位」)で与えることにするのは、法の定めを上回る制度であるため、問題ないものとされる。(以下、本稿における「時間単位」の用語は「時間(またはそれ未満)単位」の意と理解されたい)

 また、現行制度でも1日単位か半日単位かは労働者が選択できるのと同様、新制度でも、労働者の希望する時間数で取得できるようにしなければならない。

 それから、改正省令は、介護休暇等の時間単位取得により「始業時刻を時間単位で遅らせる」または「終業時刻を時間単位で早める」ことを趣旨とし、いわゆる「中抜け」(就業時間中に時間単位の休暇を取得するもの)までは求めていない。この点が、「年次有給休暇の時間単位取得」と取り扱いを異にするところだ。
 無論、中抜けによる介護休暇等の時間単位取得を容認するとしても、(法の定めを上回るので)差し支えない。

 ところで、介護休暇等の時間単位取得が困難な業務がある場合には、過半数組合または過半数代表者との労使協定を締結し、この制度の対象から除外する労働者の範囲を取り決めることができる。
 この「除外する労働者の範囲」に関し、厚生労働省はどのような業務を想定しているか具体例を挙げていないが、例えば「交替制勤務による業務」、「遠隔地への移動を要する業務」、「看護師の夜勤業務」等がこれに該当しそうだ。
 なお、現行制度下において既に「介護休暇等の“半日単位取得”の対象としない労働者」を労使協定で取り決めている場合であっても、それとは別に、改めて労使協定を締結する必要がある。

 ちなみに、介護休暇等は、「ノーワーク・ノーペイ」の原則により、特約の無い限り無給で差し支えない。
 しかし、これを有給とすることで従業員の定着と企業イメージの向上が期待できるなら、加えて、有給の介護休暇等を社内制度として設け、それを利用した労働者が生じた等の要件を満たした場合は「両立支援等助成金」が支給されることも考えれば、これを機に介護休暇等の有給化を検討してみる価値はあるかも知れない。


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退職者の再就職先から退職理由を尋ねられたら

2020-05-03 15:59:32 | 労務情報
 退職者の再就職先(または応募先)が、その者の退職理由を尋ねてくることは珍しくない。
 そのような問い合わせに対して、同じ人事担当者としての同朋意識も手伝ってか、支障の無い範囲で回答しようとする人もいそうだが、支障が有ろうが無かろうが、原則として回答は控えるべきだ。

 と言うのは、退職理由も個人情報であるため、本人の同意なくして第三者に提供することは許されない(個人情報保護法第23条)からだ。提供する情報が本人に不利益に働かないとしても、それをもって第三者への情報提供を正当化できるわけではない。
 また、法律の面だけでなく、会社が保有する従業員の情報を第三者が求めるままに提供してしまうのは、やはり人事担当者としての自覚を欠く行為と言われても反論できまい。自らの職責の重さを認識して…‥

※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  


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