我が国の民法は、「契約自由の原則」を採用している。すなわち、契約を締結すること自体や、契約の相手方を選ぶことや、契約の内容や、契約の方法については、当事者が自由に決められるというのが原則だ。
しかし、この「契約自由の原則」が成立するには当事者双方が平等な立場であることが前提となるところ、こと「労働契約」に関して、労働者(雇われる側)と使用者(雇う側)とが対等に契約を締結するのは、まず不可能だ。そのため、戦後、現行憲法の下で、労働者が集団で使用者と交渉できることとする「労働組合法」とともに、労働条件の最低基準を定める「労働基準法」を定め、私的自治に一定の国家権力が介入することとされた。
労働基準法は、こういう経緯で制定されたので、法が定めた基準を満たさない労働契約はその部分において無効とし、違反した者には罰則を科すという“強行法規”の側面を持っているのだ。
まれに「残業代は要らないと本人が言っているので支払わない」と言って憚らない経営者がいるが…‥
※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。
労災保険は、労働者が業務上(または通勤途上)の負傷・疾病に対して補償する制度だが、中小企業の事業主や一人親方は、労働保険事務組合等に委託することにより、労災保険に特別加入できる。
さて、この特別加入の申請に関し、フクシマ関連の除染作業に携わる場合には、今月末から手続きが若干変わるので、ここで案内しておく。
まず、新規に特別加入する際に、業務内容に除染作業を含むか否かを申告しなければならなくなった。新しい特別加入申請様式は、11月30日から使用開始予定とのことだ。既に特別加入している中小事業主や一人親方が除染作業に従事することになった場合も、業務内容の変更を届け出なければならない。
加えて、除染作業に従事する中小事業主や一人親方は、労働者と同様の「線量管理」をしなければならないこととなり、また、一人親方の特別加入団体は、その『災害防止規程』に「被爆防止」と「線量管理」についての項目を追加しなければならない。
具体的な手続きに関しては、まだ発表があったばかりで行政当局も混乱しているようだが、11月30日から稼働とのことなので、ここ1~2週間のうちに通達類も出揃うのではないかと思われる。
ところで、今般の手続き変更は、どう考えるべきなのだろうか?
除染作業に携わる人が増えてきたということか、それとも、現に除染作業に起因する負傷・疾病が発生し始めているということなのか…
いずれにしても、マスメディアが報じない現実が背景にありそうなので、不安ではある。
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