業務の標準化・可視化(みえる化)のためにマニュアルを整備している会社は多いが、その歩をさらに進めて、「社内資格制度」や「社内検定制度」(後述する厚生労働大臣による認定制度を踏まえて、本稿では「社内検定制度」の用語で統一することとする)の導入を、(制度未導入の会社は)検討してみてはいかがだろうか。
社内検定制度を設けることには、次のようなメリットがあるとされる。
1.知識・技能・ノウハウの蓄積や横展開に効果がある
2.従業員の能力開発が促進される
3.目標設定に活用すること等によりモチベーションアップにつながる
4.有資格者を優遇することで能力の高い従業員の定着が図れる
5.“会社が求める人材像”を示せる
そして、業務の標準化・可視化や新人教育に用いることで生産性の向上に寄与することは、そもそもマニュアル整備の目的であったが、それが一層高まることが期待できる。
さらには、策定した社内検定制度について、厚生労働大臣の認定を受けることも視野に入れておくのもよいだろう。
これは、「社内検定認定制度」と称され、職業能力開発促進法施行規則第71条の2第1項に基づき、「事業主等がその雇用する労働者等の技能と地位の向上に資することを目的に労働者が有する職業に必要な知識・技能についてその程度を自ら検定する事業のうち、一定の基準に適合し技能振興上奨励すべきもの」を、厚生労働大臣が認定するものだ。
この認定を受けると、厚生労働省のホームページに公示され、会社は所定のロゴマークを用いてその旨を社内外に公表することができる。それによって、上述諸点に加えて次のようなメリットも生じる。
6.社内の技能評価への権威づけができる
7.他社との差別化が図れ、顧客からの評価が上がる
8.広報効果・企業ブランドが向上する
ちなみに、社内検定認定制度は昭和60年に創設され(旧労働省職業能力開発局長通達昭和59年12月24日能発第112号)、令和6年1月23日現在、45事業主(114業種)が認定されている。
もっとも、会社が社内検定制度を設けるのは「人材への投資」のためであって、厚生労働大臣の認定は“副産物”であるはずだ。 その点、本末転倒の無いように気を付けたい。
※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
(クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
↓