ご苦労さん労務やっぱり

労務管理に関する基礎知識や情報など。 3日・13日・23日に更新する予定です。(タイトルは事務所電話番号の語呂合わせ)

「役職手当」は残業代に代わりうるか

2020-07-23 12:59:19 | 労務情報

 労働基準法はその第41条で「管理監督者」については労働時間の規定を適用しないこととしている。 労働時間の規定を適用しない以上、“残業”という概念が無いので、“残業代”も発生しないことになる。

 しかし、ここで言う「管理監督者」とは、「経営者と一体的な立場にある者」とされ、一般的に呼称される「管理職」よりも狭い概念であることには注意を要する。
 具体的には、「取締役」・「部長」・「支店長」等が管理監督者に該当するが、名称ではなく実態で判断され、以下の3点が判断基準となる。
  1)経営方針の決定に参画しまたは労務管理上の指揮権限を有しているか
  2)出退勤について厳格な規制を受けず自由裁量を有する地位にあるか
  3)賃金等の面で職務の重要性に見合う十分な優遇措置が講じられているか

 この基準で考えれば、会社では「管理職」とされていても、法律上の「管理監督者」には該当せず(※)、したがって、残業代の支給対象としなければならない者が、きっとどの会社にもいるだろう。
 ※注:「名ばかり管理職」とは、“管理”の職責を与えられていない(「部下を持たない」のがその典型)管理職のことであって、元々は自虐的に用いられた用語。「管理監督者でない管理職」のことを「名ばかり管理職」と呼ぶのは、本来は誤り。

 さて、では、そういう「管理監督者でない管理職」に対して“役職手当”を支給することをもって“残業代”に代えるのは違法なのかというと…‥


※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  

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「接客を伴う飲食店」に違和感 [個人的感想]

2020-07-13 16:59:03 | 労務情報

 このところ東京都内での新型コロナ感染者が200人/日を超える日が続いている。 しかも、その約半数が20代~30代で、いわゆる「夜の街」の関係者(端的に言えばキャバ嬢やホストたち)とのことだ。

 ところで、この「夜の街」という表現が曖昧で分かりにくいためか、このニュースを報じるマスメディアが「接客を伴う飲食店」と言い換えているのを見聞きすることがある。
 しかし、「接客を伴う飲食店」って、普通の(店員さんのいる)飲食店ならすべて“接客”を伴うのではなかろうか。 逆に「接客を伴わない飲食店」というのは無人の自販機食堂のようなものしか思い当たらない。

 おそらく(推測の域を出ないが)、メディアは「接待を伴う飲食店」と言いたいところ、“接待”というのが分かりにくいので、「接客を伴う飲食店」という用語で代用したのだろうと思われる。
 確かに、一般に「接待」と聞くと、「取引先を接待する」とか「公務員を接待してはいけない」とか、あるいは「接待ゴルフ」・「接待麻雀」のように、(多くは自分が)相手をもてなすことを意味する場合が多い。

 しかし、飲食業において接待とは、「(店の人が)歓楽的雰囲気を醸し出す方法により(来店した)客をもてなすこと」(風俗営業法第2条第3項)とされ、具体的には、特定の客のために談笑したり体を密着させたりすることを言う。
 文字通り「接し、はべる」のが「接待」であって、大雑把に「店の人が客席側に座るのが接待」と理解しても、大きく外れてはいまい。
 これを行う飲食店は、風俗営業許可を取らなければいけない。
 逆に、風俗営業許可の無い飲食店では、お酌したり(ただしボトルから最初の1杯だけグラスに注ぐのはOK)、デュエットしたり(グレーな店も多そうだが)というのは禁止されている。

 なので、マスメディアには、正しく「接待を伴う飲食店」と言ってほしい。
 もし「接待」という用語が視聴者の誤解を招きそうなら、それを解説する時間を設けるなど工夫するのもマスメディアの役割なのではなかろうか。
 特に日本放送協会(NHK)は、その『国内番組基準』(制定:昭和34年7月21日;直近改正:平成10年5月26日)第11項「表現」の1号に「わかりやすい表現を用い、正しいことばの普及につとめる」と書いてあるくらいなのだから。

 その労を惜しんで簡単に「接客を伴う飲食店」と言い換えてしまうと、「接し侍らない(普通の)飲食店」(そのほとんどが店員のマスク着用等、感染防止に最大限の努力を払っている)の客足にも悪影響を及ぼしかねない。 新型コロナウイルスが終息したわけではないので油断は禁物だが、必要以上に危機意識を煽るのも、メディアの姿勢としては甚だ疑問だ。
 国の言う「新しい生活様式」を心がけつつ、少しずつ日常を取り戻していくようにするべきと個人的には思っている。


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“残業代込み”での賃金設定

2020-07-03 13:59:11 | 労務情報

 「残業代込みで月額○万円」という賃金を提示して従業員を採用する会社がある。
 それ自体が即違法というわけではないのだが、一つ間違えると違法となりうる可能性が高いので、以下の諸点をよく理解しておいてほしい。

 まず、労働条件は必ず書面で通知することとし…‥


※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。

  

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