すでに2012年新入社員の定期採用活動が始まっているそうだが、一方で、来春入社予定者の内定取り消しを考えざるを得ない企業もあるようだ。
「採用内定」の定義は会社によって異なるが、通常は、応募者からの労働契約締結の申込みを企業が承諾したものと考えられ、応募者に入社を誓約させることとあいまって「解約権を留保した労働契約」が成立したものと解するのが判例でも一般的だ。
となれば、「内定取消」とは、労働契約を一方的に終了させることであり、「解雇」と同じ労働契約法第16条の適用を受ける。すなわち、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は無効」ということだ。
そうは言っても、企業経営上、新人を入社させるのが難しくなることも起こりうる。例えば…‥
※この続きは、『実務に即した人事トラブル防止の秘訣集』でお読みください。
インフルエンザが流行しているようだが、例えば自分の会社の従業員がインフルエンザに感染したことが判明したら、会社としてはどう対応するべきか。本人が「休ませてください」と申し出てくれば話は簡単だが、無理して出勤してきたような場合はどう対処したものだろうか。
こういう場合には、本人の健康と周囲への伝染防止という両面を慮れば、やはり休業を命じるのがベストであろう。
しかし、それが法的に正しいかと問われると、実は微妙である。本人が出勤したがっているのに会社がそれを制止するのは、“労働する権利”を奪うことに他ならないからだ。
※労働安全衛生法第68条に「伝染性の疾病にかかった労働者についてはその就業を禁止しなければならない」という趣旨の定めが有るには有るが、そもそも感染症法で「一類感染症・二類感染症・三類感染症」は就労が禁じられているし、労働安全衛生規則第61条第1号に言う「病毒伝ぱのおそれのある伝染病」は「結核」を対象としていた(労働基準局長名通達平成12年3月30日基発第207号を参照)が、結核予防法の廃止(平成19年4月)に伴い結核は二類感染症とされたため、この条文は有名無実化している。
そんなややこしい話にならないように、まず、就業規則には「伝染病に感染した者は就業させない」といった規定を置いておくべきだ。これによって、会社が休業を命じる権限を有することが明確になる。
そして、できれば、その不就労時間分を賃金から控除しないこととするか、少なくとも休業手当(平均賃金の6割以上)を支給することとしておくのが望ましい。と言うのも、賃金が減額されるのであれば、無理してでも出勤しようとする従業員もいるだろうし、それに対して会社が休業を命じることに従業員の理解を得られにくいからである。
体調が万全でない状態で効率の悪い仕事をしてもらうより、ゆっくり休んで体調を戻してもらった方が結果的に生産性は上がる。意外に本人の方がこのことに気づかない(あるいは気づいても言い出しにくい?)ようなので、会社の方で気遣ってあげる必要があるかも知れない。
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こういう場合には、本人の健康と周囲への伝染防止という両面を慮れば、やはり休業を命じるのがベストであろう。
しかし、それが法的に正しいかと問われると、実は微妙である。本人が出勤したがっているのに会社がそれを制止するのは、“労働する権利”を奪うことに他ならないからだ。
※労働安全衛生法第68条に「伝染性の疾病にかかった労働者についてはその就業を禁止しなければならない」という趣旨の定めが有るには有るが、そもそも感染症法で「一類感染症・二類感染症・三類感染症」は就労が禁じられているし、労働安全衛生規則第61条第1号に言う「病毒伝ぱのおそれのある伝染病」は「結核」を対象としていた(労働基準局長名通達平成12年3月30日基発第207号を参照)が、結核予防法の廃止(平成19年4月)に伴い結核は二類感染症とされたため、この条文は有名無実化している。
そんなややこしい話にならないように、まず、就業規則には「伝染病に感染した者は就業させない」といった規定を置いておくべきだ。これによって、会社が休業を命じる権限を有することが明確になる。
そして、できれば、その不就労時間分を賃金から控除しないこととするか、少なくとも休業手当(平均賃金の6割以上)を支給することとしておくのが望ましい。と言うのも、賃金が減額されるのであれば、無理してでも出勤しようとする従業員もいるだろうし、それに対して会社が休業を命じることに従業員の理解を得られにくいからである。
体調が万全でない状態で効率の悪い仕事をしてもらうより、ゆっくり休んで体調を戻してもらった方が結果的に生産性は上がる。意外に本人の方がこのことに気づかない(あるいは気づいても言い出しにくい?)ようなので、会社の方で気遣ってあげる必要があるかも知れない。
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