社会保険(健康保険および厚生年金保険)の保険料は、固定的賃金を含む報酬月額が大幅に変更された場合、随時改定により変更する。これは、「増減月を含む3か月間の平均を算出して標準報酬月額を決定する」(いわゆる「月変」)という手続きを踏むことになり、実際に保険料が変わるのは4か月後となる。
しかし、この原則ルールに従うと、定年後に賃金を大幅減額して継続雇用するケースにおいても、4か月間は従前どおりの社会保険料を課すことになってしまうため、その負担を軽減させる趣旨から、特例措置が講じられている。
それは、「いったん『資格喪失届』を提出し、同時に、新たな標準報酬月額による『資格取得届』を提出する」というもの。これによって、再雇用直後から減額された賃金に相当する社会保険料を負担すれば良いことになっている。
また、この措置は、「定年」の際に限らず、「年金受給権を有する60歳以上64歳以下の被保険者が退職後に1日の空白もなく継続雇用される場合」にも適用されるので、高齢者を継続雇用する際には活用したい。
なお、この条件に該当しない被保険者については、賃金額が大幅に変動した場合には随時改定の手続きにより社会保険料を変更することは、原則どおりで変わりない。
【参考】日本年金機構 > 退職後継続再雇用された方の標準報酬月額の決定方法の見直し
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情報通信機器の普及・高度化に伴い、これらを活用して、個人が在宅形態で自営的にプログラミングやデータ入力や設計・製図といった業務を受託する、「在宅ワーク」が増加している。
こういった働き方は、依頼主との契約関係は「請負」ということになるので、彼ら在宅ワーカーは、労働基準法における「労働者」には(少なくとも形式上は)該当しない。
しかし、自宅で物品の製造や加工を請け負う者(いわゆる「内職」)に関しては「家内労働法」により一定の保護が図られているものの、それ以外の在宅ワーカーは法の庇護の下になく、そのため、各種のトラブルが頻発しているのも事実だ。
こうした現状を受けて、厚生労働省は『在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン』を策定し、都道府県労働局雇用均等室を窓口としてその周知を図っている。
その内容は、
(1) 契約条件は文書で明示する
(2) 報酬は、成果物受領日から起算して原則30日以内、長くても60日以内に支払う
(3) 納期に関しては、作業時間が長時間に及ばないように設定する(1日8時間を目安)
(4) 継続的な注文を打ち切ろうとする際には事前に予告する
等々、概ね家内労働法の規定に沿ったものとなっている。
このガイドラインに強制力はないが、在宅ワーカーとのトラブル防止を主眼において作られているので、在宅ワーカーを使っている企業は内容を理解しておくべきだろう。
【参考】厚生労働省 > 在宅ワークの適正な実施のために
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/zaitaku/
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