前回に引き続き、休日勤務関連の話題です。
1年単位の変形労働時間制は、予め一定期間(1年以内)について“労働日”及び“労働日ごとの労働時間”を労使協定に定めることで導入できる。
ところで、これに関しては、「労働日や労働時間を業務の都合によって任意に変更する制度はこれに該当しない」という趣旨の行政通達(H6.1.4基発第1号)が出されている。これをもって「1年単位の変形労働時間制の下では休日労働させたり休日を別の日に振り替えたりすることはできない」と曲解している人も多いのだが、この通達は「“任意に変更するもの”は該当しない」と言っているに過ぎず、1年変形制であっても、就業規則等に根拠規定を置いておけば休日労働や休日振替を命じることは可能である。
しかし、かと言って、無制限に休日労働させて良いわけではない。
1年単位の変形労働時間制においては、連続労働日数が6日以内となること(ただし労使協定で定める特定期間においては1週間に1日の休日が確保できる範囲内にあること)が求められており、このことは、休日労働や休日振替をさせる場合においても例外ではない。したがって、所定の週休日すべてを(週休2日であればその2日とも)労働させてしまうと、この条項に抵触する可能性が高いので、注意を要する。
無論、法定休日に労働させるには「時間外労働・休日労働に関する労使協定(三六協定)」を締結し、割増賃金を支払わなければならないのは言うまでもない。
なお、業務の繁閑等を理由とした休日振替えが日常的に行われるような場合は、そもそも1年単位の変形労働時間制を採用できないので、その点はくれぐれも誤解の無きよう。
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