都道府県健康保険協会(協会けんぽ)が交付する被保険者証(以下「健康保険証」)の券面から、「事業所所在地」の表示が消えて久しい。
かつては、健康保険証には「事業所名及び事業所所在地」が記載されていたが、5年ほど前に健康保険法施行規則が改正され、「事業所名」も「事業所所在地」も記載を要しないこととされた。これを受けて、協会けんぽでは、当面は「事業所名」のみ残して、「事業所所在地」は表示しないこととしたものだ。
この様式変更により、事業所が移転した場合でも、同一都道府県内であれば健康保険証を書き換える必要がなくなるため、保険者・被保険者・事業所の三者とも負担が軽くなったことは目に見えるメリットであった。
しかしながら、気を付けておかなければならないのは、会社の事務手続きとしては、事業所が移転したら『適用事業所所在地変更届』を提出しなければならないのは従来と同じということだ。むしろ、健康保険証の券面から事業所所在地の表示が消えることにより、この届け出を失念するリスクが高まったとも言える。
事業所が他の都道府県に移転した場合は、保険者が変わることになるため、手続きの漏れは発生しにくいのだが、同一都道府県内での移転において、手続きが簡素になったが故に却ってミスが出やすくなったというのは、何か皮肉な話ではある。
ここ数年の間に所在地の変わった会社では、間違いなく届け出てあるかどうか、再度確認しておくと良いだろう。
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