四都府県に3度目の緊急事態宣言が出されている今だから言うわけではないが、テレワーク導入のメリットは、計り知れない。
社会全体の観点からは、通勤による社会的コストや環境への負荷を軽減でき、地域活性化や少子化対策にも良い効果をもたらす。
企業にとっては、通勤手当・単身赴任手当等やオフィスの賃料・光熱費等のコストが削減できる。
労働者にとっては、フレックスタイム制と組み合わせればより効率的な働き方が期待でき、育児・介護・病気療養等と仕事との両立も容易になり、ひいては、ワーク・ライフ・バランスの向上にもつながる。
もちろん、通勤による感染症罹患リスクが低下することは、特に今の時期は、大きなメリットに違いない。
日本生産性本部の調査(※)によると、わが国の企業・団体に雇用されている人のテレワーク実施率は、昨年5月は31.5%だったものが7月には20.2%へと低下したものの、10月には18.9%と微減にとどまり、約2割の人(「約2割の企業・団体」ではないことに要注意)にはテレワークが定着しているようだ。
また、5月の同調査では「効率が下がった・やや下がった」と感じている人が66.2%だったものが、7月にはちょうど50.0%、10月には49.5%と、これも落ち着いてきている。
とは言え、約半数の人は効率の面で満足しておらず、約8割の人はそもそもテレワークをしていないわけで、テレワークの普及にはまだ程遠い様子が窺える。
※日本生産性本部「第3回 働く人の意識に関する調査」
→ https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/3rd_workers_report.pdf
テレワーク導入に否定的な企業からは、「書類が電子化されていない」、「セキュリティ上の問題がある」、「勤怠管理が難しい」、「従業員間のコミュニケーションが取りづらい」といった声が聞かれる。業態によっては「テレワークできない業務がある」のも事実だろう。
しかし、これらをもってテレワークを全否定する理由にはなりえない。
「従業員がまったく出社しない」のが難しいとしても、部分的なテレワーク、例えば「交替で週1日ずつテレワークする」といった程度なら、導入できないだろうか。それがうまくいったら、今度は逆に「週1~2回、全員が顔を合わせる機会(『昼礼』等)を設ける」まで歩を進めることを考えたい。
また、これを、「書類の電子化」や「(勤怠状況ではなく)成果による評価システムの構築」など、業務の手順や管理方法を見直す“好機”ととらえるのも悪くない。
国(経済産業省・厚生労働省)や地方自治体(東京都等)も、少なくともコストの面から企業がテレワーク導入に二の足を踏むことのないよう、助成金等の支援策を充実させている。
テレワークは、今や、「やれない理由を挙げる」のではなく「やる方法を考える」段階まで来ている“喫緊の課題”と言えそうだ。
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