【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

もう一つの花見

2011-04-30 15:30:05 | レトロ(素敵)な空間~散策




何が人間の 幸福 かと言えば、
突きつめた処、まあこの辺が、
人間の辿り着ける、1番の幸福だろうよ。
これなら人も許すし、神のとがめもある訳はない。
そして、誰にも望める事だから」
             【吉川栄治著 「新・平家物語」 より】




   こちらは今日も不安定な天気。
  晴れた空からいきなり、
  パラパラ~ッと雨も降り・・。
  朝晩の気温も、相変わらず低めです。
  
   確か天気予報では、
  雨は夜からではなかったかしら・・?
  
   案に反して、午前中より午後の
  方が良いお天気になっています。

   さて、昨日は1日中外出して
  いましたが、2つめの桜、
  八重桜が今、満開です。

   そして青い空には沢山の鯉が。
  勿論、ここでもスローガンは東日本大震災復興を祈って。

   折しも、通りがかりのある親子が桜の花びらを手ですくって、
  「ワ~ッ! 綺麗ね~ッ。ヒラ、ヒラ~ッ、ヒラ、ヒラ~ッ!」
  ~なんて戯れていました。長閑(のどか)で幸せな光景。

   一方、未だに桜を見ても心が晴れない1組のご夫婦の姿を
  テレビ画像は鮮明に映し出していました。

   思い出のこもった、ご自宅の1本の桜の木を津波で流され、
  塞いでいらっしゃるご主人を案じて奥様が誘い出されたのです。

   「まだ桜の花を見るのは私達には早かったのかな・・?」
  ふと呟(つぶや)かれた奥様の言葉が胸に刺さります。
  
   ところで、上記の言葉は、「新・平家物語」 の最後の場面のもの。
  ここでも、奈良吉野山の満開の桜を眺めながら、
  お弁当を食べる、老夫婦の姿が描かれています。

   父と子、兄と弟が相争った源平の盛衰を見続けて来た、
  医師の麻鳥が妻に語りかける言葉。

   申すまでもありませんが、我々日本人は昔からどこかに
  神の存在を意識して暮らして来たのではないでしょうか・・。
  日本各地のお祭りなどの神事にも、それが表れていますね。

   それがいつの頃からか、神をも恐れぬ国民に・・?
  こんな事が起こらなければ普通の生活を送る事が、
  どんなに幸せな事なのか、気付こうともしなかった・・。

   でも、まだまだ遅くはありませんね。
  感謝して日々を送ろうと思っています。

   そう言えば上記の場面も、吉川栄治が戦後まもなく夫人を伴って
  吉野山に花見をした時、目にした老夫婦がモデルと言われています。

   そしてその姿に戦火をくぐり抜けた、日本人を重ね合わせたとも。
  今回の地震も同じですね。「頑張ろう、日本!」