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【「茶羽せせり(チャバネセセリ)」】
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「太陽があたしに輝いてくれて嬉しいわ」 アンは幸福な気持ちになった。 【「アンの夢の家」 第4章】 「今年の夏は何て楽しかったのだろう」 と、アンは思った・・・ 【「炉辺荘のアン」 第35章】 |
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【「藪蘭(ヤブラン)」】
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そんな中、それでも一生懸命に秋を
探している自分がいて驚きます。
【いつか】 もこのブログで記した事が
ありますが、こんな私も典型的な
日本人という事なのでしょう。
連夜の虫の音楽会は日に日に
盛会を極めつつありますし、
今日は 「つくつくぼうし」 の
声を聞きました。
この声を聞きますと・・
嫌が応にも近付く秋を感じます。
ところで 「つくつくぼうし」。
そう思って聞くからかも知れませんが、
本当に 「つくつくぼうし」 と
聞こえますね。
こんな風に虫の鳴き声にすら、
言葉を重ねてしまう・・。
これこそ、日本人独特の感性と言います。
他にも 「筑紫恋し、筑紫恋し」 と聞いた人。(筑紫地方の伝説)
「美し、佳(よ)し」 「つくづく惜し」等など・・。
それにしても、咄嗟(とっさ)に 「つくつくぼうし」 の声を聞いた時、
「美し、佳(よ)し」 と捉えた人の感性が偲(しの)ばれます。
実際に美しい人だったのでしょうね。心も姿も。
アンの言葉もそうですが、今を肯定しています。
否定からは何も始まりませんものね。
“太陽が輝いてくれて嬉しいわ” 一方、その逆もしかり。
“雨が降ってくれて良かったわ。植物たちは乾き切っていたんですもの”
普段の心の在りようがいかに大事か・・
虫の鳴き声から、ちょっと考えてしまいました。
最後になりましたが、今日は昆虫にスポットを。
妖精の糸を今日も黙々と織る蜘蛛に、「茶羽せせり」。
「茶羽せせり」 は、夏の終わりになると必ずやって来ます。
藪蘭も薄紫色の花を付けました。秋はもうすぐです。