【ジャスミンの花の下で】
山から吹いて来る 青嵐 が、 そよそよと巻かれた簾をゆすり 軒忍草をゆすって、 座敷の青畳の上に音なく消えて行く。 この沈黙を破って、 人の足音と声が、重なって響いた。 【吉屋信子作 「地の果まで」】 |
今日は一転して
真珠色の空になりました。
それにしても 「金環日食」。
僅か1日違いで何という違いでしょう。
昨日は、ご覧になった方、
そうでない方・・列島各地、
悲喜交々(ひきこもごも)の光景が
繰り広げられたようですね。
ところで早々と、
今年初めての朝顔が開花。
目の覚めるようなブルーです。
そして純白のジャスミン。
元々は玄関先のプランターに
植えていたものです。
その種子を風が、あるいは
小鳥が運んだのでしょうか・・。
今度は庭の一隅に根付きました。
こんな風に自力で活路を
見出したものは強いですね。
本家本元を遥かに凌(しの)ぐ勢いで生長しています。
壁の塗り替え前は、蔦で覆われていた法面(のりめん)。
取ってしまった蔦の代わりに、今は1筋のジャスミンが垂れ下がっています。
今、丁度満開。おまけに、これだけでも相当な芳香。
そのうち、壁一面に・・と期待しています。
そうなれば、ジャスミンの花 & 芳香で、さぞかし壮観でしょうね。
そんな今日は、ジャスミンの花の下で、お茶&読書タイム。
『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、開店と致しましょう。
今日は、どこでも移動可能な籐のテーブルをジャスミンの花の下に。
何だか、いつもと勝手が違います。
椅子の位置が逆になり、場所がちょっと移動しただけですが、妙に新鮮な気分。
今、ゆっくり読んでいる松本清張の 「昭和史発掘」 も進みそうです。
第1巻は、もう少しで終わりです。
芳(かぐわ)しいジャスミンの芳香の下ですから、一気に読めますね。
そうそう、ここでは内緒話はご遠慮下さいね。
薔薇ではなく、ジャスミンの芳香の中ですから、
いつもは口の堅い? 私も、つい口が滑ってしまうかも知れませんから。
今日の引用文にもある、「青嵐」。
丁度今頃の季節、青葉を渡る爽やかな風の事ですね。
こんな描写に接しますと、“和” の趣きに無性に惹かれます。
そう言えば、お花見で京都に出掛けた時、藍の小物を求めた事を思い出しました。
今日のようにお菓子入れにしてもいいし、茶托にも。使途は自由です。