

【イナバウアー?】

【凛として蕾の薔薇】

「・・・一体、夏はどこへ行って しまったんでしょうね? (中略) 小さい頃、あたしは夏の一方の端から もう一方の端を見る事が出来なかったのよ。 果てなく続く季節のように あたしの前に広がっていたんです。 今じゃ、『片手の幅だけ、一つの物語』 だけですわ」 【「アンの愛情」 第23章】 |

この所、良いお天気が続いていましたが、
今日は珍しく真珠色の空に。
こんな空ですと、(昨日もそうですが)妙に冷え冷えとして、
一気に秋が深まったような気さえして来ます。
まだお彼岸前ですのに。

一体、夏はどこに
行ってしまったのでしょう。
ここ何年も、お彼岸頃に
やっとしのぎやすくなると
いった事を繰り返して
いましたものね。
今年のように、
夏を懐かしむなどといった
感情は、久し振りです。
そんな中、
秋薔薇が、ひっそりと
厳かに開花。
最盛期に比べると少々、
小振りながら、この季節の
薔薇は、とりわけ美しくて。
虫食いの葉っぱでさえ
日が射せば、小さな灯りが
灯ったよう。
これは春にはない、
秋薔薇の独特の風情です。
秋の薔薇には百の色、秋の茎には千の色と言います。
霜に焼けた何とも言えないグラデーションが、
今年は殊の外(ことのほか)、楽しめそうです。