【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

赤という名の “紅(あか)”

2014-06-07 17:15:07 | 薔薇の追憶














エミリーは大変に幸福だった。
美しい、古い庭は、眠たい、
まばたきする光の中で、
彼女に親しい友として
話しかけているようだった。
この場所の魅力に、
彼女は全く身を任せてしまった。                   
            【「エミリーの求めるもの」 第9章】










【次から次へと花芽を付ける 「西洋朝顔」】






   起床時、雨は上がっていました。
  昨夜から明け方にかけて、かなり降ったようです。

   雨上がりの庭って、好きなものですから、
  ちょっとのつもりが、ついつい長居している私がいます。

   開花が待たれる紫陽花や、いつの間にか姿を現した半夏生(ハンゲショウ)。
  これもいつの間にか葉っぱが白くなりかけています。

   そして庭の花も春の花から夏の花へと
  姿を変えつつあります。







    さて、今日も
  紅薔薇の話題を。

   真紅、深紅の薔薇。
  文字こそ違いますが、
  どちらも真赤な薔薇。

   それにしても薔薇は、
  真っ赤な薔薇に
  限りますね。

   ~なんて、いつも
  言っていますけれど。

   ところで、個人的には
  同じ発音でも 「深紅」 の
  文字の方が好き。

   深紅の薔薇からは、
  「深窓の令嬢」 と言った
  イメージも加わって。

   アン ではないけれど、  
  「想像の翼」 は広がります。

   ところで勝手に深紅は、
  深みのある濃い赤の事を言うと思っていましたが、
  どうやらそればかりでもなさそうですね。

   兎にも角にも深紅の薔薇は、格調高さは勿論、
  何度も何度も花を咲かせ、楽しませてくれます。
  そしてわが家の薔薇の中では一番、丈夫です。  

和菓子が伝える風情

2014-06-06 17:58:58 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編



【小ざさの羊羹】








こうして自分の部屋に
一人でいるのが私は好きだ。
(中略)
又私の小さな所有物からも
非常な喜びを感じる。
これらの物は他の誰にも何の意味も
成さないのに私には特別の意味を持っている。
(中略)
ここへ来るや否や私は自分の王国へ
入った事になる。ここで本を読み ――
ここで夢想に耽り ――
窓辺に座って空想を詩に
形作って行くのが好きだ。
                 【「エミリーはのぼる」 第16章】






   今日も午前中は不安定な天気に。ただ、風は吹いていません。
  雨がパラパラ・・と思えば、太陽。そして翳(かげ)り・・。

   そのお天気も、お昼過ぎからは安定して来ました。
  今日は午前中は曇り、午後から雨の予報とは逆の現象になりました。














     さて、お隣から又々、小ざさの羊羹を頂きました。
    そう、この羊羹は朝早くから並ばないと
    買えないものです。(一人、2本限り)

     昔ながらの手作りですから、
    数が制限されるのでしょうね。丁度、お茶の時間ですので、
    早速お茶請けとして頂く事に致しましょう。
    



    およそ一週間振りですね。
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』、
  開店です。

   折角の和菓子ですから
  たまには緑茶で・・
  と行きたい所です。

   でも、既にすっかり
  準備が整っています。

   幸い、こちらの羊羹は、
  飲み物を選びません。

   珈琲にも実に良く
  合うのです。何せ、
  前回実証済みですもの。

   美味しいお菓子は、
  飲み物が制約されない
  のがいいですね。

   そうそう、先日、
  ご近所の方から頂いた、
  「マトリカリヤ」。

   半分は、ドライに。
  何でもカモミールの仲間のようで、その芳しい芳香が部屋中に拡散。

   その香りの中のティータイム。
  「香りの部屋で薫り高い珈琲を召し上がれ~!」 ~    

風を誘う花と蝶

2014-06-05 18:00:18 | 香る庭の花綴り





【紫陽花はお好き!?】







「私には 風のおばさん が静かな静かな
足音で丘を越えて来るのが聞こえるわ。
これからいつも風を人間として
考える事にするわ。
来たから吹いて来る時の風は
がみがみ女だし ――
東から吹く時は寂しげに
何かを求める人だし ――
西からの時は笑っている少女だし ――
今夜のように南から吹いて来るのは
灰色の妖精よ」                 
             【「エミリーはのぼる」 第12章】






   雨こそ降っていませんが、
  今日は不安定な天気になっています。

   おまけに風が強くて。時折、びっくりするような突風も。
  久し振りに 『風のおばさん』 を思い出してしまう始末。
  今日の風は西風・・? となれば、笑っている少女ですね。

   そのせいなのでしょうね、肌寒さも覚え・・。
  この感覚、これも久し振りです。







【オーストラリアンブルーベル】



                                       【オキザリス】
   さて、今年は例年以上に
  蝶が多い気がします。
  勿論、蜂なども。

   お花が多いと仕方ない
  のかも知れませんが、
  庭に出るのが怖い時も。

   蝶は、そんな事は
  ありませんでしたが、
  それでも1頭ならいざ知らず、
  5、6頭連れ立って来た
  時は、さすがに無気味に。

   そんな今日。
  あの耳障りな蜂の
  唸り声を聞きません。

   それでも蝶は、
  やって来ています。

   蝶は風が嫌いでは
  ないのですね。
  意外な発見。

   紫陽花の葉っぱの上に。
  紫陽花の葉っぱって、毒があるのではありませんでしたっけ・・?

   ところで日陰に植えて心配していた、
  オーストラリアンブルーベルが、
  (3年目ともなりますと)蔓を伸ばして来ました。

   お陰で日も当たるようになり、
  花芽を増やして来ました。私は、こんな小さな花が大好き。

   そうそう、勝手に生えて来た、これもピンクの小さな花は、
  「オキザリス」 と分かりました。(生協で売っていて判明)

   そう言えば、野の花だと思っていた、
  「彼岸花」 や 「捩子草(ネジクサ)」 も売っているのですね。

散歩道の優しい余韻

2014-06-04 22:35:27 | レトロ(素敵)な空間~散策














 今日の道 ――
 私はこの小さな道が大好きだ。
 人間の友達のような気がする。
 “ぶらつく” という言葉は
 それなりに美しい言葉だと思う ――
 ある言葉のように言葉そのものが
 美しいというのではなく、
 その意味をいかにも表現しているからである。
 例え今まで一度も聞いた事がなくても
 この言葉の意味ははっきり分かる ――
 ぶらつくはぶらつく以外の
 意味ではあり得ない。           
      【「エミリーはのぼる」 第11章】

















   昨日夕方からの雨は、程なくやみ、
  今日も朝から時折、日が射しています。
  そんな今日、朝顔が涼しそうな貌を覗かせていましたっけ。

   日中は昨日より気温は低いのですが、
  少々、湿気を含んだ風が吹いています。
  この気候、この空気こそ、日本の6月ですね。

   雨が本格的に降り出したのは、今日も夕方から。
  この雨で気温の方は随分、下がりました。









【香りの壁】


【マダガスカルジャスミン】



   さて、今日もわが町の
  散歩道の一駒を。
  写真は昨日のものです。

   西国街道沿いの道には
  趣きのある古いお宅が
  多く立ち並んでおり、
  興味が尽きません。

   それこそ “ぶらつく”
  のに持って来いの所。

   そんな通りから少し入った
  所にちょっとした崖のように
  なっている場所があります。

   その斜面一面に、
  ビッシリ咲いている白い花は
  「マダガスカルジャスミン」。

   ジャスミンという
  名前が付いていますが、
  本家のジャスミンとは全く縁のない別種です。

   因みにジャスミンは、モクセイ科ですが、
  こちらは、「ガガイモ科」。
  とは言え、香り高い芳香はジャスミンそのものです。

   それにしても、こぼれ種なのか鳥が運んで来たのか、
  こんなにも生い繁るなんて。まさに香りの壁。
  ぶらついていると、思いがけない素敵なシーンに出会いますね。    

一針の幸せ

2014-06-03 18:48:18 | 私の手作り夢時間














 「・・・ 編物をしようとしても ――          
 以前はあんなに愉しみだったし ――
 私は本当に上手でもあるんですよ。
 だのに、今では網目を落としてばかり ――
 しかもそれに気が付かないと
 来ているんですから」
 ヘイドックは考え顔で彼女の顔を見つめた。
 と思うと、彼の眼がきらめいた。
 「何にだってその逆のものがあるのですよ」
 「それはどういう意味ですの?」
 「編物が出来なければ、気分を変える意味で、
 解きほぐしてみたらどうなのです?
 ペネロペ はそうしていましたよ」
 「ペネロペとは境遇が違いますよ」                
     【A・クリスティー作 「鏡は横にひび割れて」】











【マトリカリヤ(夏白菊)」】





   午前中は昨日までと同様の空が広がっていましたが、
  時間の経過と共に曇り空に。
  夕方にはポツポツと雨も降り出しました。

   どうやら長い事続いたお天気も今日が境目のようです。
  九州や四国地方では梅雨入りしたとか。
  もう、そんな季節になったのですね。

   ところで、こちらの 「マトリカリヤ(夏白菊)」。
  今朝、ご近所の方から頂きました。

   去年も頂き、張り切って地植えもしたのですが、
  僅か1年で枯らしてしまった私。
  ガーデニングもプロ級の腕の方には敵いません。 










   さて、布針からレース針、
  はたまた絵筆と・・。

   あれこれ持ち換えながら、
  毎日を楽しんでおります。
  結構、同時進行も。

   そんなこんなで。
  今日は、ベストが
  出来上がりました。

   ただ、惜しむらくは、
  レース糸が太い事。

   従って本来のレース糸が
  持つ繊細さはありません。
  まるで毛糸のよう。

   最初こそ、スイスイと
  快適に編んでいましたが、
  ほどなく後悔。

   と言っても解きほぐす
  勇気はありません。

   やはりレース糸は、
  細いのに限りますね。

   またしても同じ轍(てつ)を踏んでしまったという訳です。
  尤も持っている糸を少しでも減らしたいという事もあるのですけれど。

   一方、どうせ同じ労力を使うのなら、気に入った糸で・・。
  これらは、いつも陥るジレンマです。

   ところで、今日の 『アンの世界』
  尤も今日は、A・クリスティー版ですが、ミス・マープル の嘆き。
  ようするに原因は年を取ったから・・という事らしいです。

   そうそう、文中の ペネロペ とは・・?
  “夫のトロイアの遠征中彼女は、求婚者を退けるために
  布を織ってはそれをほぐして暮らした・・”

   ~とあります。その心中やいかに。
  そして一日が気の遠くなるほど長かったでしょう。いやはや・・。

クラシカル浪漫 ~ 手紙

2014-06-02 17:21:17 | 心の宝石箱












あなたからのお手紙を
どこへ行って読むか知っていらっしゃる?
往来の向こうの林へ行くのよ。
そこには小さな峡谷があって、
太陽が羊歯しだの上に
まだらの模様を描いております。
小川がそこを曲がりくねって流れています。
苔むした、1本のよじれた木の幹に
あたしは腰掛けるのです。                  
                【「アンの幸福」 第1年目2.】
 









【オーストラリアンブルーベル】






   こちらは今日も暑くなりました。
  ただ、今は湿度があちませんので、我慢出来ます。

   尤も、この気温に湿気が加わったら・・。
  思っただけで、うんざりしますけれど。

   ところで今、毎日何らかの花が開花しています。
  昨日、西洋朝顔が咲けば、今日は 「オーストラリアンブルーベル」。 

   もう少し待てば沢山の花が咲くのに待ち切れなくて。
  でも、それは仕方ないですね。












   さて、今日の写真。
  水茎の跡も麗しい
  手紙が届きました。

   差出人は、
  ハワイに住む叔母。

   どうやら無事に
  帰り着いたようです。
  ~なんて。

   叔母はメールではなく、
  必ず自筆の手紙で
  こうしてくれます。

   そうそう、今回はカードで。
  ある時は和紙、又、ある時は
  押し花の(手作り)便箋
  だったり。様々です。

   アルファベットも
  美しい文字を綴る叔母ですが、
  手紙は必ず縦書き。
  これは徹底しています。

   思えば手紙って、
  便箋や封筒選びから始まり、
  手間がかかるものなのですね。改めて思います。

   叔母を真似た訳ではありませんが、私も便箋大好き。
  つい先日、見つけて又々、求めてしまいました。

   アン のように書きたい人がいる訳ではありません。
  今は昔。

   でも手紙って、クラシックだけれど、
  夢と浪漫だけは一杯、詰まっていますものね。
  そんな手紙が大好きです。

羽ばたいて ~ 朱鷺色の薔薇

2014-06-01 18:51:51 | 薔薇の追憶





【朱鷺色の薔薇】







「いつも 6月 ばかりの世界に住んでいたら、
どんなでしょうね」
薄暮の果樹園の香気と花の間を抜けて
正面階段へ現れたアンは、こう言った。
(中略)
「そうだったら飽きちまうだろうに」
と言って、マリラは吐息をついた。
「そうでしょうね。
でも今のところは、今日のような
美しい日なら当分飽きそうもないくらいよ。
どんなものでも 6月 を好きなのね」                   
                  【「アンの愛情」 第28章】






   早いもので今日から6月ですね。今日も快晴。
  爽やかな五月晴れから一気に夏がやって来ました。
  日本各地、早くも猛暑日の所があったようですね。

   こちらも15時の最高気温は、何と33度とか。
  実に盛夏並みの気温ですが、幸い湿度がありません。

   木陰や家の中にいる限り、
  あまり暑さを感じないのは、こういう訳なのですね。

   6月と言えば、『アンの世界』
  少々、暑いですが今が一番、『アンの世界』 に近い6月ですね。











【朱鷺色から珊瑚色に変わった薔薇】






   さて、例の薔薇は蕾の紅色から、
  正確に言えば、「真朱(まそお)」 でしょうか・・?

   「朱鷺(とき)色」、「珊瑚(さんご)色」 と・・
  開花するに従って、本来の色(ラベルの写真)に近付いて来ました。

   オレンジがかったピンク・・。
  これって、まさに珊瑚色ではありませんか。

   それにしても 「朱鷺色」・・何と美しい言葉なのでしょう。
  この色だって、一言で言えば 「ピンク」 なのでしょうが、
  ピンクと呼ばれる色には幅がありますものね。

   牡丹色、撫子色、石竹色、紅梅色、桜色、(青味、紫味系)から、
  桃色、珊瑚色、朱鷺色、曙色(黄味系)等など・・。
  こんな色の名前で呼ぶと、色の微妙な差が一目瞭然です。

   これからは、知る限りの日本の伝統的色の
  名前を使う事にするとしましょう。
  それには色の感性も磨かなければなりませんね。

   それにしても変化する薔薇の色から、
  こんな奥義(おうぎ)を学ぶなんて。
  「たかが薔薇、されど薔薇・・」 といったところですね。