目が疲れているのに
読みたい本があった…
主人公は、手芸男子の高校生かと思いきや、
主要な登場人物を章ごとに取り上げ、
其々の主観で語らせている…
バラバラのようで、実は繋がってる家族の形でもある。
舞台は大阪。
過去の記憶や現在の日常的な出来事の中に
このところ度々取り上げられているジェンダーなどの問題を、
押し付けがましくないタッチで描かれている。
読んでいるうちに、
息子たちの小さい頃をふと思い出したりして、
目尻からスーッと涙が流れる。
たぶん、この涙は塩分が極端に少ない涙だ…
妙に懐かしく思えてくるのは何故だろう。
読みやすくて、適度に空いた行間が
疲れた目にも優しい。
難しい言葉も、読み返さなければわからないような表現もない。
そこにある言葉から、場面を容易に想像できる…
短編ドラマを観ているようだ。
数日前からささくれだっていた心が穏やかになるのを感じた…
鈍った感性を少しだけ取り戻せたかな?