雨のせいで気温も低め。
一旦、片付けたストーブをまた出してきた昨日の昼ごろ、
誰かが玄関のチャイムを鳴らす音が聞こえた。
「どちら様でしょうか?」
と聞くと
「スイーツの移動販売で伺いました」
と若い女性の声。
夫は、
「ゴメン、うちは甘いものは食べないんだ」
と断ったが、
雨の中、カッパを着たまま佇んでいる若い女の子の顔色をみると血色が悪い、
「どんなスイーツなの?」
と訊くと、
生ドーナツのようなカタログを見せた。
「私、スイーツは好きだけどワケあって添加物をなるべく摂らないようにしているのよ」
と言いながら、
「成分表はある?」
と訊くと、
困ったような表情を見せた。
無口な女の子だ。
新人研修で飛び込み営業でもさせられているのかもしれない。
「わざわざ来てくれたのにゴメンなさいね、今度来る時は成分表を見せてね!」
と言って断った。
その昔、
街中に事務所を持っていた頃は、
この時期になると新人研修なのか毎日のように飛び込み営業の若者たちが立ち寄っていた事があった…
それを断るどころか向かい入れて、お茶まで入れて話を聴き、
必ず何か1つ商品を買っていたのは、どこのどいつだ?
一度、私が
「そんなに毎回、必要ないものを買ってどうするの?」
と訊くと、
「駅から歩いてきたらしいよ」
と言う…
彼らの苦労話に同情したのだろう。
夫も若い頃、飛び込み営業をした事があるらしいが、
その時に、
「頑張れよ」と好意を持って迎えてくれたオーナーへの恩は生涯忘れないと言う。
それなのに…
スイーツ売りの女の子には話も聞かずに玄関払いだ。
夫に
「あんなにすぐ追い返さなくてもいいのに」
と言うと、
「Halが飛び出すかもしれないだろ?
それに昼飯時に来るのはダメだろう」
と言う…
(あぁ、そこだったか)
確かに食事中の訪問はマナー違反だ。
スイーツの移動販売は、
10時とか14時半に来ると売れるかもしれない。
あの子大丈夫かな…。