通院の帰りに義母の家の前に
車を止めて外に出ると頭上から
いきなり誰かが私を呼んだ…
ふと見上げると2階のベランダから義母が私を見下ろしている。
「ウータンの世話してるのよ〜!」
と言う元気そうな義母の声に、
大急ぎで2階に行くと薄茶の大きなネコがいつものようにケージに入ったまま
私をシャーッと威嚇した。
ウータンと呼ばれるこのネコが義母のところに来て半年経つが、
まだ、慣れないようだ。
義母の家には先住ネコのナナというオス猫がいる。
今のところ喧嘩もなく、たまに鼻をすり寄せたりしているらしいが、
オス同士のテリトリーの関係もあるのか、
今のところ1階が先住ネコのナナ、
2階の1部屋をウータンが占領し
棲み分けているらしい。
「見てよ、まるで御殿のようでしょ?」
と、
以前は物置同然になっていた部屋の中を義母は見渡しながら言う。
そういえば私も、この部屋を片付ける時に少しだけ手伝ったが、
こんなに明るくて広い部屋だったとは…。
91歳の義母も、
ウータンのケージの前でセッセと世話をしながら嬉しそうに、ウータンに話しかける。
よく見ると、カワイイ顔をしている。
新しい家族を迎えることで、
新たな生き甲斐が生まれる事もある。
まもなく敬老の日。