広島空港からリムジンバスとタクシーを乗り継いて披露宴会場に到着。
会場スタッフが入り口で私たち夫婦を待っていてくれたらしく、すぐに案内してくれたが、
既に挙式が終わって、
披露宴前のインターバルで親族紹介をするタイミングだという…
すぐに持ってきたスーツに着替えて、
親族だけが控えている挙式場に飛び込んだ。
最前列にいる妹と目があった。
私たち夫婦を見るなり顔がパッと明るくなった、安心したようだ…
両家の初顔合わせである親族紹介は自己紹介で行うのだが、
マスクをしたまま言う人と、マスクを外して言う人それぞれだ。
私は化粧直しどころかリップだってつけていないので、
メガネとマスクのまま自己紹介をしたが、
それだけでは覚えてもらえないだろうと、敢えて、居住地を伝えると、新婦側の親族からどよめきが起こった。
たぶん列席者の中では、1番遠くから来たのだろう。
何より妹が嬉しそうだった。
彼女が度々LINEしてきたのは《親族紹介》の時間に間に合うかどうかだったのだ。
最近の結婚式では仲人こそ立てないが、
地方都市に於いては、まだまだ昔ながらの《家と家》の付き合いを重んじる風潮がある。
妹の婚家の場合も例外ではない。
親族紹介の時間には間に合わないだろうと諦めていただけに、
妹の願いが叶ったことが、その表情から伝わってきた。
披露宴では、
甥っ子である新郎の伯母夫婦の私と夫、
それに、同じく伯母夫婦に当たる妹の夫の姉夫婦が同じテーブルだったが、
当初は参加予定だった島根の親戚の欠席が影響してか2、3人分のスペースが空いたままだった。
妹が気にしていたのは、この空いた席だったのだ。
私たち夫婦が来なければ、より空席が目立ったというわけだ。
あちらのお姉様夫妻は私たちより5、6歳年上のはずだが、見た目もゴージャス。
綺麗に髪をセットして付け下げ訪問着姿、
マスクも着物柄に合わせた華やかさだ。
それに比べ、
私といえば、一応フォーマルではあるものの、ベージュのシルクのミディアム丈のツーピースにゴールドのコサージュというシンプルな装い。
とりあえず違和感はないにせよ、髪がひどい。
出発前にスプレーでセットしたのがアダになって、
忌野清志郎風にあちこち無造作に飛び跳ねている。
(髪だけパンクでスーツがクラシックってありえん!)
そう考えつつも、
パーティ会場で新郎新婦の嬉しそうな顔をみた途端、
万感の思いが湧いてくる新郎のゴッドマザーであった。
(T ^ T)