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2日前の早朝、
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(たぶん動くだろう)
…と思っていた乗る予定の新幹線が運休になった。
妹の長男の結婚式である…
父母亡き後、1番近い実家の親族は姉の私だけである、
しかも妹の長男にとって私は単なる伯母ではない、
産まれた直後からそばにいてオムツを替え
名前の漢字を提案した名付け親、いわゆるゴッドマザーでもある。
コロナ禍で高齢者ばかりの島根の親戚は来ないし、
私が行かなければ、新郎の母親側の親戚はゼロ…
それはいくら何でも寂しすぎる。
新幹線は東京→新大阪が運休で、その先も「未定」のまま変わらない。
静岡県に線状降水帯で被害が出ているという、
高速道路もたぶんダメだろう。
だいいち、11時間もかかる…。
すぐに空路を調べると飛行機は飛んでいるようだ。
急きょ、チケットを手配し、Halを《犬の幼稚園》のお泊まり保育に預けて羽田に向かった。
陸路がダメなら空路があるさ。
でも、
どう考えても挙式には間に合わないし、
万が一、飛行機の到着が遅れたら披露宴にだって間に合わない。
だけど、
やっぱり行かない選択肢はないのだ。
新郎新婦の顔を見たい。
行って妹を安心させてやりたい。
とりあえず今から家を出よう。
行くと決めたら這ってでも行くのだ。
それにしても、
最寄駅の駅員の新幹線チケット払い戻し手続きの早さには驚いた。
まるで準備していたかのような鮮やかな手捌きだった。
以前ならカード決済の場合は、数日かかると聞いていたのに、
即、広島行きの切符を都内までの切符に変更してくれた。
これもきっと週末ごとに来る台風のせいだろう。
キャンセル客への用意周到は、彼らなりの危機管理の表れだ。
窓口で
「お手数をおかけしました」
と礼を言うと、
「この度は、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
と詫びてくれた。
(いやいや、あなた達のせいじゃないから)
と思いながらも、
こう度々、新幹線が止まってしまうのも困ったものだなぁ…と、内心思う。
最寄駅を出て羽田に着いたのが出発便の2時間前、
十分に時間がある。
空港が混雑していないのは連休中日ということもあるのだろう…
カウンターでグランドスタッフから、
「広島行きでよかったですね、大阪行きは全て満席でしたから」と声をかけられた。
やはり私と同じように新幹線運休で急きょ空路に変更した人も多いということだ。
今のところ遅延もなさそうだ。
ホッとしたら急にお腹が空いた。
朝から何も食べていない、
とりあえず、空弁でも食べて落ち着こう。
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予定通り飛べば良いけれど…
羽田の空は、どんよりと曇っている。
運を天に任せるとはこういう事だな…
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